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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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狙い、そして女法官

 

「えっと....質疑って、さっきの最後がどうのって言っていた事......ですか?」


 茶毛が確認をすれば、法生司長はコクリと頷くのみ。


「そう言われましても....ありのままを述べただけですから......伝えた通りですっとしか言えないです......」


 彼女は、弱々しく答える。

 もっとはっきりと自信がある様に言わんか!あれでは“確かな証言である”と虚勢が張れず、嘘だと自白している様なものだ!

 それに恐らく小僧が狙っているのは....

 心中穏やかではないながらも、平常心を装って公判の行方を窺う。


「つまりあんたは最後の瞬間以外、被告がいつからペンダントを所持していたかは見ていないって事で間違いないんだな?」

「!」


 そこに小僧が自身の求めている答えまでの確かな道を示すための確認へと入る。

 やはり、気づいたか。

 ここで茶毛が認めてしまえば、こちらがかなり不利になる。

 あの小僧等が求めている答えは、これが確かな証言ではなく嘘であると明らかにする事。

 確かに証言の中で被告が最初からペンダントを盗んで所持していた、という事にはしていない。

 そんな致命的な部分を残してしまったのは、厄介な連中が残っているからである。

 今回の訴訟で此方側にいるのは、証言者三人と法生司長、それと門番四人。

 それ以外の連中は流石に無理だ。

 法生司長が此方側というだけでかなり優位なのだが、法官はどうしても無理なのだ。

 自国のみの組織制度である『法官』は、他国の一組織と違い多種の制度が取り入れられている。

 それ故に私達のような権力を持つ貴族などが、法官の上層部にちょっと手を加えられれば犯罪などどうとでもなる。

 しかしそれが叶わないのが法官だ。

 元々は普通に国の機関であったのだが、今は国王直属の機関となっている。

 そのため普通に干渉するのが難しい。少なからず干渉出来るのは、それこそ王族くらいだろう。

 なので事前に手を打っておく事は出来ない。

 それに法生司達よりも法官の方が余程“法の下の平等”を全うしている。目立つ不正を行えば法官が煩い。

 なので今回の訴訟では、少ない嘘を話の内容をちゃんとしたものではなく、そう聞こえるものにした。

 あまり良い考えではないし、穴だらけだ。

 しかし今回はそれでも通すしかなかった。まさかこんな公判に、副総監法官である“キャメラ・ロノウェン”が出て来るとは....

 通称“法にのみ準ずる鬼女”。

 彼女が規則を破る事はないのはもちろんだが、規則違反をした者への罰が厳しいらしく。その罰の厳しさ故に鬼女と呼ばれ始めた。

 また法律や規律に違反している場合、それが例え上の者からの命令であっても反発し否を唱える。

 当然そんな事をすれば不況を買う訳なのだが、そんな連中が彼女を解雇される様に立ち回ったりや組織内に居られなくなる様にありもしないデマの噂を流したりと吹聴したりしたが、それが叶う事はなかった。

 逆に彼等の裏取引を告発し、浮気を告発し、仕事での隠蔽を告発していった。

 そしてその公判の法官の役割の全てを自身で出て行った。

 結果は全勝。彼女を疎んで行動に出た者達は全員処罰を受け、退職や異動を受けた。

 そんな面倒な女が今回の法官側にやって来たのだ、デマだらけでは恐らくバレる。



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