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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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確認、そして要求

 

「加えて申しますと、そもそもあの男が証拠を集めている暇などありません。直ぐにこちらに向かう様に致しますので」


 少しだけ声音が楽しんでいるように聞こえた。

 恐らく、即刻公判が行われるとでも言って焚きつけるつもりなのだろう。

 そしてそうするのであれば、先程の移動の事前申請や準備は役立つ。むしろ利用せざる負えない。

 全く、敢えて引っ張る様に言いおって。それならそうと先に言わんか!


「そこまで言うのであれば、そちらは任せる。しかしもし、奴が証拠を提出し、私が少しでも不利な状況になればどうなるか.....解るな?」


 これは脅しではない。

 女がこの状況にそんな提案をし、私を焚きつけたのだ。つまり失態は赦されないという事。

 それだというのに失態を犯すとなれば、弁明は受けつけられない。

 絶対に起こしてはならない事柄という事。それだけ覚悟を持って挑むべきもの。

 それを理解しておるなっという確認だ。


「勿論でございます。サヘル様。万が一にも不利益が生じぬ様、こちらも些細な見落としなどせずに取り組む所存でございますので」


 女は頭を下げてそう宣言した。

 そこまで言うのであれば、こちらとしては利用し甲斐がある。

 こちらとて失態を犯し、ましてや敗訴になる気など毛頭ない。


「良かろう.....それで、何が望みだ?」


 この女が用意した段取りは理解したし、こちらでやる事もある程度は検討が着いてきた。

 しかし今までの会話でも、この女が求めている物が、狙いが分からん。

 私と同じくアズマ・キリサキを処刑したいとも取れるが、それだけには思えん。

 金や奴隷を求めていないとなると、思いつくのは私への恩の売りつけ。

 大抵の輩は前者を求めてどうでも良い取り引きを投げかけてくる。

 そういう金に執着している奴らは扱い易い。

 しかしこの女は最初に御代はいらぬと申した。そして目的も分からない。

 こうなるともうお手上げだ。今回は私の利益の方が大きい故、多少の支払いなら許そう。

 ま、減らせそうなら極限まで削減させてもらうがな。


「....それでは公判が終わりましたら、今回の件全てをなかった事に揉み消して頂きたい」


 ん?どういう事だ?

 揉み消せだと?わざわざここまで段取りを決め、公判にて裁こうと言うのに。


「それはどういう意味だ?」

「民衆含め、今回の訴訟及びアズマ・キリサキがこの国を訪れていたという事も含めて。その全てをなかった事になる様に揉み消して頂きたいのです」

「.....はぁ...先も言ったが、私とて流石に無理だ。公判にする理由は、あの小僧を群衆の前で処刑するためだ。それに意義があるのだ。それをやるというのに、それを観ていた者達の口封じをするなど不可能だ」


 何を要求してくるかと思えば、無茶を叶えろとは。


「しかし封じねばベガに件の事がバレる恐れがありますので」

「......」


 それは私も理解している。ましてやベガやアルタイルからは奴隷をかなり密入している。

 怪しまれてはいるが、今の所は確実な証拠を掴ませてはいない。

 そんな国に今回の件がバレれば、いよいよ調査の者を送ってくるだろう。

 あの小僧の行い自体は咎められるが、その被告(エサ)までは無理だ。無理矢理起こそうとしていた訳だからな。

 それと情報によるとあの小僧、銀髪のエルフに狐の獣人の姉妹、それと銀髪の女剣士が居るそうではない。

 加えて出来ればあの小僧の周りにいる者は、全て奴隷にするつもりだからな。そちらにも適当な罪をでっち上げる。

 それにしてもあの小僧。屋敷といい、四人の女を侍らせたり、挙句他国に来て好き放題暴れる。不愉快極まりない。



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