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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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大前提、そして一度にする意義

 

 ふむ、流れの途中で加速の能力を使う理由。時間を短縮する意義......


「.........行動の制限」

「その通りです」


 声に出すつもりはなかったが、意図せず出ていた様だ。

 余分な時間を掛けない事で公判で証言や証拠等を提出出来ないようにするため。

 と言っても、前々から準備していたのなら出せるかもしれなんがな。

 しかし──


「それでは小僧が間に合わないという事が起こりかねん」


 それだけはあってはならん!つまらん!

 何も出来ずというのも悪くはないが、手も足も出ず、殺される方がより良い。


「ご安心ください。あの青年が移動の際に必要な馬車や早馬、ベガからこの国までへの船や出航までの手続きなどがスムーズにいくように準備しております」

「それでもだ。まず大前提としてあの小僧が直ぐに追って来なくては、それは最早意味をなさん。あっちで手札を揃えてから、こちらに来るかもしれんではないか?」


 そもそも移動に加速の能力を使うと考えるはずがない。考えたとして、早馬での移動や船の準備や手続きを事前にしておき、直ぐに出航出来る様にする。

 つまり、彼女が今し方提案した内容とほぼ同義。

 しかしそれが、誰かしらも判らぬ輩から用意されていると想定し、あまつさえ利用するか?

 私なら、ない。むしろ疑う。

 余程の阿呆なら、それもないかもしれんがな。たまたまそれらが揃ったと喜んで喰いつくかもな。

 故に、時間を短縮してもこちらが得する事はない。


「確かに証拠云々が揃うのは面倒ではある。無論公判までに間に合わなかければ、それの意義はなくなる」


 なんなら一度だけの公判ではなく、二回に分けて行えば結果はさほど変わらん。

 しかし奴が何を仕出かすかもまた、不明。

 絶望させ、自身の愚行を反省させてから公衆の面前で処刑、というのが今回の目的。

 なら二回の方が得なのではないか?

 しかし生憎とそうはいかない。一度目に必ずリリースティアを処刑せねばならんが、今回は他国から無断でそ奴を連れて来なくてはならん。

 奴隷等でも、他国の民衆共を勝手に奴隷と化し、この国へ売りに来るという事はザラにある。

 しかしそこに私達が直接関わっていないため、また決定的な証拠も掴ませていないためその問題はなんとかなっている。

 だが今回は相当な域で関わっている。故に、即刻あの小僧も処刑してしまわなければ、こちらが被害を受ける。


「証拠等の危機感は、どうかご心配なく。今回の公判で法生司長を行う者は、こちらで用意致しますので。サヘル様は、アズマ・キリサキの処分だけ一意専心ください」


 ほほう。法生司の中に手の者を入れるだけでも相当の事。それを法生司長にまで手を伸ばしているとは......

 中々どうしてやる女だ。




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