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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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違和感、そして励まし

 

 走らせた氷に巻き込まれ、身体の半分以上が氷に覆われているバキュースライム。

 その氷からスライムを取り出す。


「!」


 少し、溶けてる。

 スライムを覆っている氷が溶け始めている。熱か?

『ウォーミル』で完全に溶かし、手に持つ。触れている感じでは、熱を持っているようには思えない。

 どちらかといえば冷たい。そしてぷよぷよしている。

 地球にあったおもちゃのスライムとは全然違うな.....っと違う、違う。

 今はこっちに集中しなくては。


「これはバキュースライムと言う。立派な魔獣だ」


 そう言うとへーネルが僅かに表情を変えた。法官とサヘル、裁判長も変わりないのはやはりであり、さすがだな。

 ただまだ核心には迫らない。

 魔獣を使ったというだけでは、シラを切られて終わりだ。だからもう少し情報集めだ。


「さて、まだ聞きたいことがある。もちろん答えてもらうぞ」


 先のことがあるためか断ろうとする気配はない。

 下手に断れば、周りにいる民衆たちからさっきのバキュースライムのことを認め逃げたと言われる。

 ただ、貴族が相手なため大きく言い広められないだろうけど、心象は悪くなるだろう。

 気にしない相手なら、本当に気しない。

 しかしあの男は、奴隷を売買しているはず。つまりそれは少なからず痛手になる。


「待たせたニーナ。頼む」

「は、はい...!」


 バトンをニーナに渡す。

 しかし彼女はどこかたじろいでいるように感じる。


「え...えっと......その──」


 緊張からか言い淀む。それから周りをチラチラと見ている。

 最近はあまりなかったが、そういえば彼女は人見知りだったな。

 周りにはかなり人がいるから、緊張してしまうのも無理がな......あ、いや違う。さっき周りから獣人に対する批判の声が上がった。

 それが自身に向けられるのを恐れているのだろう。

 姉に対する批判には立ち向かおうとしていたのにな。まあ、そこが彼女の良い所なのだが。


「ニーナ。がん、ばって!」


 それを察したのか、ユキナが励ましの言葉を送る。


「周りは気にしなくは良いから」

「そうよ。アイツらが何言われてるか分かんないけど、気にしなくて良いわよ。それでも気にするなら、私が全員黙らせるから!」


 続いてキリとサナも励ます。

 サナ、気持ちは分かるけどさすがに法廷中に暴れないでくれよ。せめて、これ以上は何も言えないようにするくらいなら良いけど。


「皆さん...お姉ちゃん......うん!頑張る!」


 それに背中を押してもらえたようで、奮い立つ。

 そんな彼女からは先ほどまで怯えていた様子が消え、睨む様にサヘルの方を向く。



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