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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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討論、そして事前に

 

「それで、これからどうするの?」

「予想よりも早かったですから、完全に時間がなくなってしまいました」

「.....!そうだ、キリの能力で見つけられないか?」


 頭を悩ませていると、そんなアイデアを閃いた。

 しかしその問いを受けたキリの表情は優れない。


「それが、私もさっき同じ事を思って試したの。でもこの人だって思って訊いても、知らないの一点張りなの」

「でもほ、ん当に、知らな、そうじゃ、なかった。多ぶ、ん何かべ、つの理ゆ、うがあると、思う」

「....恐らくですが、その大貴族というのが関係しているのではないでしょうか?」

「それって、手を回しているってこと?」

「まあ、貴族ならそのくらい出来そうだな」

「となると証言をしてくれそうな人に協力を仰ぐのは難しそうね」

「そうだな。さて、どうするか...」


 再び頭を悩ませる。


「そういえばエルフの里から持ってきた魔道具って、どんな能力なの?」


 そうしているとサナがそんな質問を投げてきた。

 そういえば説明してなかったな。


「その魔道具に触れている間はその人の嘘を暴く、という能力だった」

「素直に触ってくれるかしら」

「無理だ、とお、もう」

「裁判官に魔道具を使うように言ってもらうのは?」

「恐らくそれも無理だと思います。本来ならこちらから魔道具を使用する場合は、事前に公判所に提出しておかなければならないと聞きます」

「そんな決まりがあるのか...」

「すみません。余裕があると考えていたので、直ぐにお伝えしていませんでした」

「いや、色々とバタバタして言う暇もなかったろうし気にしないで良い。それに余裕がなかったのは想定外だった訳だし」

「そうよ。アンタレス王国ではそういう規定だったのは初耳だったもの」


 ニーナが申し訳なさそうな顔を浮かべたかと思えば、顔を俯せて謝罪を述べてきた。

 そんな彼女にキリが励ましの言葉をかける。

 そんな規定があったこと自体知らなかったのは黙っておこう。


「とりあえずは、使えそうなら使おうってことで」

「出来る事を願いましょう」


 可能性は低いが、これはもう願っておくしかない。

 それにしても──


「証言もなく、魔道具も使えそうにないとなると、本当にどうしたものか」


 このことは本当にどうするべきなのか思いつかない。八方塞がりにもほどがある。

 証拠がなければならないというのに。


「相手の落とし所を拾うしかないのかしら?」

「それでも勝てるか怪しいわね」

「な、らまたエ、ルフの里、で何、か探して、みると、か?」

「あの長がまた貸してくれると良いけど…」


 ここから明日に備えて眠るまで、ずっと討論を続けた。




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