表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
212/516

計画、そして目覚め

 

「はぁ...はぁ.....ふふふ、何故アタシがサキュバスだと分かったのかしら?」


 彼女はアズマに負傷を負わせてから、先ほどよりも後退して距離を取る。

 そして荒くなった息を整え、優雅な仕草で爪に血をつけたまま口元へと運んで問うてきた。


「男たちを自分の色気で堕とす女を俺の故郷だとそう呼ぶだけで、当たったのはたまたまだ」


 嘘ね。まあ、確かに彼の故郷ではそういう人のことをそう呼称するのかもしれないけど、そんな理由だけでアズマは人を判断しない。

 恐らく『魔眼』で判別したのね。

 それにしても出会ったことすらない魔獣、それも伝説上のまで分かるなんて。本当に可笑しな男....

 そう一人、アズマのことを心の中で呆れて苦笑いを浮かべているサナであった。

 しかし実際に彼女の推測は間違っていない。

 東が女の正体に気がつけたのは『魔眼』でそう表示されたためであった。


「あら、お褒めの言葉として受け取っておくわ」


 対する女は特に気にしたような風もなく笑っている。


「それにしても....アタシの目論見をことごとく外れさせてくれる子達ね」

「お前の計画性がずさんなだけだ。復興中の村を襲って、人を(さら)って、挙げ句男を使ってサナたちに手を出した。こんな目論見、ハナから成功する訳ないんだよ」

「あら、そんなの。でも事実途中までは成功していたわ」

「その後はどうするつもりだったんだ?あの村が復興中なのはギルドも知っていた。それがあんな状態になっているなんてこと、知られるのも時間の問題だった。そうなれば警邏だって動いた。それのどこが成功しているって言うんだ?」

「そんな事はどうだって良いのよ。警邏なんてアタシの敵じゃないもの」

「それも能力を使って男たちを利用するからだろ?」

「それもあるけど......ふふ、そうかもしれないわね」


 最初の方が小声だったため東は聞き取れなかった。

 しかしサナとニーナには聞き取れていた。


「それもって、まだ何かあるの?」

「......特に何もないわ。気にしなくて良いのよ、犬っころ」


 女はとても晴れやかな笑顔でサナにそう告げた。


「犬っころ......?」

「「!」」

「っ⁉︎」


 その言葉に反応したのは言われたサナ本人でもなく、同種で彼女の妹であるニーナでもない。

 では誰か?

 確かに東もその言葉に怒り、宝物庫から短剣を取り出しつつ彼女に接近しようとしているが声を漏らしたのは彼ではなかった。

 その声を漏らした主は、自身の能力によって東より後に動いたというのに東よりも先に女の懐へと詰めていた。

 女の眼前にはきらりと光、鉄の塊が伸びている。


「私の友達を侮辱、しないでっ!」

「ぐふぁっ‼︎⁉︎」


 キリは勢いよく剣を振り下ろす。

 一瞬の接近により反応が遅れ、放たれた三閃の斬撃を避けることが出来ず女の身体から血が噴き出した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ