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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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提案、そして効果


「何を仰るのですか⁉︎あの魔道具は危険極まりないことは、貴女もよく御存じのはずっ!あの魔道具で、一体何人犠牲者が出たと思っているのですかっ!」


所々掠れたせいで喉が痛いが、気にせず怒鳴った。

それだけ彼女が言っていることは間違っているからだ。

禁忌の魔道具。名前を知らなければ、誰が作ったのか、どんな魔獣から作れらたのかなどは分かっていない。

しかし一つだけはっきりしているのは、その能力はとにかく危険ということだ。犠牲者が出るほどに。


「.....どんな魔道具なんだ?」


すると、今まで黙り続けていた青年が振り返り、そう尋ねてきた。


「........」

「他者の魔力を吸い尽くす魔道具に御座います」

「!ドライアド殿っ!」


ワシが敢えて答えないでいると、ドライアドが勝手に返答してしまった。

ドライアドの言う通り、あの魔道具は触れた者の魔力を吸い尽くす。それもほんの一瞬で、だ。

しかし恐ろしいのはそれだけではない。

基本的には魔力を吸って終わりとなるのだが、時折奇妙なことが起こるのだ。

普段は魔力を吸い尽くされただけなので気を失い、数日で目を覚ますのだが、稀に起きた者の様子が可笑しくなっている。

どう言えばいいか.....

普段の様子と違う喋り方や行動などをするのだ。

犠牲者はすでに三人出ており、その内一人は男だというのに言動が女の様に振る舞う始末。

挙句自分は女だと言い張っていた。

その様はまるで“人が変わった”ようだったのだ。

しかしドライアドの様子を窺うに、その旨を伝える気はないのかすでに頭を垂れ、目を逸らしている。


「はぁ....エルフの魔力量ですら、一瞬にして吸い尽くされる。それに加えて、その魔道具は頑丈で破壊は不可能なのだ」

「確かに魔力が一瞬で吸い尽くされるのは厄介だが、それだけで禁忌としたのか?」


意外と勘の鋭い奴だ。

さて、真実を告げれば彼は挑戦するだろうか?前回で犠牲者が出てからすぐに触らせないようにしたため、恐らく次に触れても大丈夫だろう。

しかしそんな確証はない。

と、なればやはり隠しつつ何か別のことを....


「エルフの長殿が精霊様に魔道具の相談をなされた際に、精霊様からその魔道具についての助言を授けられたため、それ以来この者等は禁忌の魔道具としているのです」


悩ましげに思っていると、ドライアドが助け船を出してくれた。

どうやら本気であの魔道具を使ってワシを納得させたいようだな。

しかしエルフの魔力量ですら吸い尽くされてしまうほどの魔道具。

その許容量は不明であり、奇妙なことも起こる。

そんな魔道具でどう人間であるこの青年ならば、暴走を止められると判断出来るのだろうか?


「なるほど.....まあ、なんでも良いや。その魔道具で認めてくれるなら、悪いんだけど直ぐに出してもらえない?」


青年がワシを促してくる。

あれは出すのも拒まれる品なのだ。ましてやどう証明するかも分かっていない物。

そう思いながらも、青年とドライアドがそれで納得するのならと思い、外で待機しているアーツェに件の魔道具を持って来るように伝えた。

当然彼には驚かれたが、今回は何も言わずに従ってくれた。



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