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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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偽の会議、そして遂行

 

 場所を移し、ワシが観たこととそこからの憶測を全員に説明する。

 憶測というのはその状態が続けば、腕を失くす恐れがあるということだけだ。

 それしか知らないから、そこは仕方がないとしよう。

 そしてそれを聞いての皆の反応はまさに三者三様だった。


「そうですね。手当ての際に私もチラリと見ましたが、見事に手首だけが凍っていました。恐らくは能力によってでしょうから湯で溶かせられるかどうか怪しいですね。最悪の場合は切り落とす事になりますね」


 とはアーツェの意見。

 ワシも彼と同じ見解だな。


「ふーん。まだ観てないかーら、なんとも言えないけどー.....ふひっ、いくつか試してみたーい薬ならあるかなー」


 とはレベーラの意見。

 その笑い方をもう少しなんとかして欲しいものだ。

 しかし試せそうな薬はあるはありがたい。

 もし凍らせる能力があの女のであったのなら、その対策を今のうちに練れるのはありがたい。

 例えそれがあの女の能力でなくとも、他に襲撃して来る者が現れた際に同じか近しい能力でも対処出来る。

 別に亡ってもなんともない者だから、レベーラの実験にもつき合わせられる。


「それ、多分ア、ズマのの、う力。アズマ、が目覚めれ、ば、解除出、来る。でもお、そい.....早くし、ないとダ、メになるか、も....」


 とは忌み子の意見。

 まあ予想はしていたが、やはりあの青年の能力だったか。

 しかしそれでも実験をすることは可能であるし、そこまで問題ではないか。

 だが、実験をするのはあの青年が起きる前に行わなければならない。でなければ実験も出来ない上に、最悪能力で薬を無効化されてしまうやもしれん。

 この忌み子の飯に毒が入っているというのは考えんかもしれんが、ワシらの提供する薬を怪しまずに飲む可能性はかなり低い。

 例えワシらが下手に出ていても、念のためっと考えて無効化される可能性がある。

 ならばこの実験の成果を確認出来るのは、気を失っている今だけだろう。

 それならばもうそろそろ向かうとするか。


「ふむ....ワシもここまで長く眠るとは思っていなかった。目覚めたという報告は受けておらん故、まずはあの者の様子を見に行くとしよう」


 そう締めくくり、再び場所を移す。

 ただし調理場ではなく、青年を収容している牢樹へと向かう。

 これは少々予定になかったことだが、青年と忌み子の処刑が少し遅れる代わりに貴重な実験が出来るようになったと考えよう。

 そして牢樹へと歩を進めるワシらに寄って来る者の姿があった。

 その者はアーツェの元へと駆けて行き、何事かを耳打ちしている。

 おおよそ検討は着いてはいるが、報告を聞き終えたアーツェが歩行を早めてワシの元へとやって来る。


「長様、任務は遂行したとの事です」

「そうか。よくやった」


 やはりそのことだったか。

 任務とはワシらが調理場を離れ、姿が見えない所で料理に毒を盛ること。

 レベーラの作った毒の中でも、匂いや味を変化させない毒を使用させた。

 その分効果が及ぶまでに時間がかかるそうだが、数時間ほどで死に至らせるらしい。

 これであの青年と忌み子を終わらせる準備は整った。

 後は実験をして終わりだ。

 この里、否、世界に災いを招く芽が完全に開花する前に早く摘むとしよう。



危うく三日坊主になりかけました....

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