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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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賭けの策、そしてグラルドルフの角

 

 さて、どうしたものか....

 剣は折れており左手がない。さらに剣術や体術でも互角程度。

 そうなると、もう固有能力と宝物庫内にあるアイテムの工夫くらいしかないか。

 ゲートを使って『麻痺』でも使えば楽なのだろうが、先ほど戦闘中にリングを落としたようだがその時はまだ気がついていなかった。

 そのため今はこの氷の下である。

 まあ場所はすでに魔眼で見つけているので後は取り出すだけだが、そんな隙を作るようなことは自殺行為に等しい。

 ....いや、まあ、うん。ついさっき隙を作ってやられかけたばかりだけどね。

 という訳でゲートリングは後回しである。

 他の能力も基本的に触れなくては意味のない能力なので無理だろう。

 そうなるとアイテムとなるが、戦闘向きのアイテムがあっただろうか?

 ......あ、可能性は低いけど使えるやつがあった!

 そうとなればまずは───


「いい加減大人しく捕まれ!」


 そう叫んで地面を蹴る。

 そうなれば当然俺の剣や手足に警戒が強まる。それで良い!

 そして相手の間合いギリギリで刃折れの剣を地面突き刺し、それを軸として回転しながら急停止する。

 その回転中に足で砂を寄せて、タイミングよく蹴る。


「っ!」


 そしてそのまま身を捻って剣を少し強引に抜き、蹴り上げた足を叩きつけるように下ろす。

 そして体重をそちらに傾け、剣を回すようにして大きく振りかぶる。

 蹴り上げた砂で目がしばらく使えなくなってくれれば上等なのだが....


「おっと」

「チッ」


 しかしやはり目潰しは回避されており、剣を横にして防がれてしまった。

 かなりの威力のはずなのだが、なかなか平気そうに受け止められてしまった。

 思わず舌打ちまでしてしまった。


「んっ!」

「んっ⁉︎」


 数秒剣を交差させていると彼は右足で俺の股間を蹴り上げたようとしてきたので、前足を内側に倒すようにしてギリギリでガードした。

 その隙に彼は飛び退いて距離を取った。

 それに少し遅れて俺も距離を取る。

 目潰しが成功していればすぐにでも使えたのだが、今は互いに距離がある。

 このチャンスを逃す手はないので、宝物庫から昔作ったカイロと水儒核、そして今回のキモとなるグラルドルフの角を取り出す。

 正直これはユキナに嫌な思いをさせてしまうので、あまり使いたくはない。

 しかし戦闘向きで使うなら、あの魔獣の能力がかなり適している。

 まず水儒核と『ウォーミル』で再び牽制する。

 近づけさせない。それだけが水儒核を出した理由ではない。

 この牽制の隙に剣と角をカイロに突き刺し、それを水儒核と『ウォーミル』で固定する。さらに能力が常時発動出来るように持ち手まで凍らせる。

 まあ冷たいので指が触れられる辺りまで来たら、止めたが。

 見た目は超ダサくなったし、使えるかも定かではないが、今はこいつにかけるしかない。

 カイロを使う理由は、カイロにはこちらの魔力を流しやすくするためにナルミトルの血液を使っている。

 なのでこれを使ってのゴリ押し接続である。

 そしてグラルドルフの固有能力は───


「せえー、のっ!」

「「「「「「「っ⁉︎」」」」」」」」


 完成?した武器を思いっきり右上から左下にかけて振り下ろす。

 するとブオォンっと音が鳴ったかと思うと、武器の軌跡から突風が吹き出した。

 固有能力は『風圧』。通過した場所から速さに応じて突風を吹き出すのが能力。風の幅は能力を発動させる物体の大きさによって変わる。

 これがグラルドルフの固有能力である。

 まあ、魔眼からの情報とギルドで見つけた図鑑に書いてあった内容だが。

 それにしても上手く発動させることが出来たようだ。

 そもそも魔獣の能力をそのまま発動させることは非常に難しい。

 五輪核ゴーレムのような全部の核が使えるというレアな魔獣もいるが、グラルドルフも出来るかは載っていなかったので知らなかった。

 全ての魔獣の素材から固有能力を引き出せるなら、俺が先ほど使っていた剣も古竜の能力を引き出せる。

 確か、普通の鍛治士が魔獣の能力を引き出せるのは稀らしいが、それを的確に引き出せる鍛治士がこの世界には何人もいるそうだ。

 一体どうやるのか気になるが、それも後回しだな。

 これで一気に優位が取れそうだ。

 そう思うと肩の荷が少し軽くなった。そして優位を生かすために、正眼の構えをとった。



角(+カイロ+刃折れの剣).... ()は氷で覆っている部分ですが、想像すると本当にダサい。

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