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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第16章 冒険初心者のキセキ
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念願、そして出会い

視点変更

 

 彼女は、(あずま)が姿を表してからずっと彼を見つめていた。


「(ふふふ、、やっと会えたわ....)」


 彼女は嬉々として彼の一挙手一投足をその緋色の眼で見つめていた。

 私は彼のことを知っている。

 私が初めて彼と出会ったのは数ヶ月前(だっけ?)で、仕事中の時だった。

 ギルドに向かってた冒険者の中で良さそうな人を品定めして、捕まえてから能力を使ってギルドへ向かった。

 そこで依頼を受諾したらパーティを組むように言われ、私と一緒のパーティになる人達の所へ向かった。

 その時の依頼は〜....あれ?なんだっけ?

 んんー....確か悪いおじさん達が裏で薬の高額売買の取引をしてて.....それでその人達が邪魔だから消すって内容だったかな?ーボアアガロンの捕縛依頼です。ー

 正直どうでも良かったから内容あんまり憶えてないのよね。

 まあいいや。

 そこに彼はいた。周りの連中なんかよりも明かに彼の威圧感は違った。

 今まで遊んで来た玩具()達よりも、仕事をする仲間達よりも違う感覚。

 それを浴びた瞬間背筋がゾクゾクしちゃった!「強い、彼は絶対に強い」そう確信を持てた。

 だから彼を見ているだけ、うんうん、彼のそばにいるだけで身体が火照(ほて)って来た。

 そのせいかあんまり上手く話せなかったけど、それは彼の声を聴いているだけで尻尾を振りたくなるような想いでいっぱいになったからもある。

 私に尻尾は生えてないけどね。

 すっごく幸せな気分になれた。

 彼の事が知りたい!彼と遊びたい!彼との子供が欲しい!彼との繋がりが欲しい!彼と()り合いたい!彼を壊したい!彼の身体が見たい!彼の叫び声が聴きたい!彼の絶望顔が見たい!彼の泣き顔を見たい!彼の、彼を.....

 そんな欲望が頭の中を埋めていった。

 想像するだけで身体がより熱く、火照っていった。

 でも仕事が残っていた。だから我慢した。

 そう我慢したの。ずっとずっと彼のそばにいて、彼の声を聴いて、彼のご飯を食べて、彼の戦う姿を見ても我慢した。

 襲いかかりたいのを必死に堪えた。

 依頼と仕事が終わってからもずっと彼の事を思い出してしまった。玩具を遊んでいる時も彼の事で頭がいっぱいなってすぐに壊しちゃった。

 だからって仕事中にヘマなんてしないけど、玩具をすぐに壊しちゃうからどんどん新しい玩具()が欲しくなっちゃって怒られた。

 でも前の仕事、頑張ったから休みが貰えた!

 だから前々から調べてた彼がこの近くの街まで来てるって分かったから、みんなに協力してもらって、ここまで来た。

 そしてやっと、念願の彼に会う事が出来た。

 彼は以前にも増して威圧感が大きなっていた。それは遠くからでもビシバシ感じ、そのせいで身体は火照り、息が荒くなった。

 (いじ)りたくなるのを堪えながら彼を待った。

 先に邪魔な人達をみんなが追っ払ってから私が遊んで良いという流れ。

 彼は何かに気付いてみんなに言おうとしたけど、(今は)ケルンに邪魔されて何も言う事が出来なかった。

 そういう手筈なの。

 あんなのでやられない事くらい分かっていたけど、念のために。

 案の定彼は避けた(煙で観えないけど)。

 そして数秒のうちに煙は晴れた。もともとそんなに長くないように調整された煙だもの。

 そこには彼がちょっと怒った表情でこっちを睨んでいた。


「っ!!!!!!!」


 その顔を見て私の身体に稲妻が走った。

 なんて素敵な顔。私が見たかった彼のその顔。私を()めるその威圧感。

 ああぁ、興奮する....今すぐしたい......

 東が彼女を睨んでいるのは『魔眼』によって彼らの身体から微量ながら彼女の霧が発せられているからだった。

 つまり全員が今回の件に関わりがあることを理解したからだった。しかし彼女にとってそんなことはどうでも良いことだった。

 彼女は今すぐ東と遊ぶことこそが最も重要なことなのだ。

 なので彼女はワイバーンから飛び降りた。



もう少し頭がおかしくても良かったかなっと思っています。

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