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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第16章 冒険初心者のキセキ
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緊急事態、そして進行

 

 観察生活二日目と三日目は一日目と同じで二人はそれぞれ防具屋と花屋へ行ってバイトをするだけ。

 終われば食料を買って帰り話をして、眠るを繰り返していた。

 そして四日目の観察生活でちょっと面倒なことが起こった。

 この街に巨大な魔獣が向かって来ているという(しら)せが冒険者より運ばれてきた。正確に言うなら商人の護衛の一人の冒険者だ。

 その魔獣の特徴は、全身が藍色の鱗で覆われており、二足歩行で前足が翼になっている。

 全長四メートル半くらいのワイバーンがこちらに向かって来ているそうだ。

 この報せによってネビュラにいる冒険者のほとんどが討伐戦に参加する者、住民の避難の指示を出す者、王都へ行きギルドにこの事態を通達しに行く。

 こんな感じに分かれてからすぐに行動は移された。

 俺は当然討伐隊に参加となった。もともと銀ランク以上はこういう時はほぼ強制参加なのだ。

 いつもなら別になんとも思わないのだが、今はタイミングが悪い。

 常時観察していないといつ手を上げるかは分からないのであまり眼を離したくないのだ。

 いや、こんな非常事態の時は我が子なのだから上げないのかもしれない。

 そう悩んでいる間にも街の人たちは慌ただしく避難しており、冒険者たちはワイバーンを畏怖している者、自分の技を披露したくて嬉々としている者、なぜか泣いているおっさんなどがいる。

 そしてワイバーンの討伐に俺たちは進行した。

 場所は西部、カタリシ平原と呼ばれる場所でワイバーンを迎え撃つのが作戦らしい。

 ちなみにワイバーンは竜とも呼ばれており、今回現れたこのワイバーンは逸れ竜らしい。

 ワイバーンは竜の中で中級種らしく、さらに成長するとダンジョンの最下層にいた上位の竜になるそうだ。

 ドラゴニュートとかもいるそうだがこっちは竜ではなく(ドラゴン)の血を引いているそうだ。色々とややこしい。

 話を戻して、その逸れ竜に対して今あるこちらの戦力数は四八人。

 ワイバーンとはいえ竜相手にこの人数では正直時間稼ぎにもなるか怪しいものだ。

 作戦は三班に分かれて、一班が囮役、ニ班が遠距離からの攻撃、三班が背後からの攻撃、そして四班が場合によって自分たとで動き方を変える補助役。

 これがその時聞かされた陣形だったのだが、最初に三班と言っていたのに最後に四が出てきたのには驚いた。

 本当に大丈夫なのか不安になったのは俺だけではないはずだろう。

 出陣してからは周りが緊迫の雰囲気に包まれた。ただ三人を除いて....

 前にも述べたがこんな非常事態なのに冒険者の中には嬉々としている者がいた。今除いたのはその連中だ。

 この連中はどうやらパーティなようで茶色のコーンロウでかなりの筋肉質な肉体で、普通のバトルアックスよりも二回りは大きいのを背負っている。

 彼がリーダーのようで仲間からは“ウィーネ”と呼ばれていた。

 次にアフロ、ただし真ん中がなぜか縦一直線に剃られており二手に分かれている。

 どんなヘアスタイルだよ!と思ったのは言うまでもない。

 両腰にタルワールを携えており、“ケルン”と呼ばれていた。

 最後に普通の男。いや前の二人がインパクトが強かったからそう思ったのだと思ったのだが、やはり普通の男なのだ。

 ではなぜそんな男があんな二人と同じパーティなのかが分からない。

 彼は特に自らしゃべることはなく時々絡んでくる仲間に相づちや愛想笑いなどで流している。

 それでいて相手に不快な想いをさせていないのは彼の技量なのだろう。

 ちなみに彼はロングソードを携えており、“オーメル”と呼ばれていた。

 ウィーネとケルンは周りにバカ絡みをして騒ぎ立てていたがオーメルはただ二人が絡んだ時だけ合わせる感じで進行し続けた。



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