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空は、  作者: くーべる
1
9/33

8

目が覚めた。昨日のことは全部夢だった。なんてことはなかった。

見慣れてない部屋だ。

昨日結構遅くに寝たのに、早く目覚めた気がする。うーん、この世界に時計はないんだろうか。朝昼夜、日にちの概念はあるみたいだが。

体を起こすと、気だるさがあった。


朝起きたら、食堂に集合、だったか。

この部屋にあるもう一つのベッドに目を向ける。ソラは・・・まだ寝てるのか。どうしよう。声をかけるか・・・。いや、やめておこう昨日のことがある。ゆっくり寝させてやろう。


着替えて、食堂に向かう。

昨日も来てみて思ったが、長いテーブルに白いクロス。アニメとかで見たのと同じだ。

「やあ、早いね。」

そこで待っていたのは、王子だった。

「どうも。」

軽く会釈をしておく。

「ソラ様は、まだお休みかな?」

「そうだよ。・・・その、様付け、やめてくれよ。変な感じがするからさ。」

「君たちは、勇者なんだ。敬わなければね。」

やめてって言ったら、やめてくれよ・・・。


「少し、話、してもいいですか。」

「ああ、いいよ。」


「俺、迷惑かけてませんか。」

「それは、なんで?」

「昨日、俺が無能力だとわかって、勇者じゃないかも、なんて考えませんでしたか?」


「確かに、君は何の属性も持たない。でも、勇者召喚によってあらわれた。そのことに、意味があるんじゃないのか。僕は、そう考えているよ。

「そう、ですか。」

昨日の夜聞いた言葉そのまま。これが、この人の変わらない考えか。


ステータスをのぞかせてもらう


あああ 人間

パワー10

属性 火


パワー10か。まだこれがどれくらいの強さなのかわからないけど、少なくとも俺よりは強い。


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