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「さ、どうぞ。」
そういって目の前にコップを置くと、向かい側の椅子に座る。
このコップの中身はなんだろうか。湯気が立ち上っているが。
コップを持ち上げ、鼻を近づけてみる。
鼻を通り抜けるこの香りは……レモンかな?
確認して、机の上にコップを戻す。
「あり?飲まないの?」
自分の分を飲んでいる彼女が質問してくる。
「まだちょっと熱すぎて飲めないです。」
「ふーん、猫舌ってやつ?」
「そうなんじゃないんですかね。」
猫舌がどういうものか詳しく知らないため曖昧に返す。
「じゃあ話を始めさせてください。」
「なんでもどーぞ。」
とりあえず最初に聞きたいのは、
「あなたの名前を教えてください。」