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空は、  作者: くーべる
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31/33

30

暖かい。はっきりしない意識は、第一にそう感じた。

第二に、今自分は布団の中にいるのだと理解した。

久しぶりの柔らかな感覚に、いつまでもこうしていたいという

気持ちが沸いてくる。

しかし、それは長くは持たなかった。

自身の持つ最後の記憶が頭に浮かんだ瞬間、体が

跳ね起きる。確か自分は戦っていたはずだ。

なぜ今こんな幸福な時間を過ごしていたのか。一体あの後

どうなったのか。頭の中が混乱し、体も混乱する。

なにをすればいいのかわからず、とりあえず動こうとする。

すると

「あへ。」

情けない声を上げながらベッドから転げ落ちる。鈍い痛み。

地面に転がる自分の体は重く、思うように動かない。

しかし、うまく動けなかったのはそれだけが理由ではなかった。

違和感に目を向ける。右腕がない。

驚きがなかったのはまだ頭が働いていないせいなのか。

「おはよう。」

声がしたほうを向く。

「気分はどうだい?」

続けて質問をされる。

「わからない。」

仰向けの状態で見たその顔は、

「そう。それはよかった。」

笑顔だった。


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