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「え、えーと。」
「・・・・・・。」
起こしたのはいいけれど、すごく警戒されているように見える。って当たり前か。こんな時どうすればいいんだ?思い出せ!今までに知らない場所で知らない人と初めて話た時どうしてたか・・・・・・って、そんな経験あるかっ!
「あ、あなたは。あなたは誰ですか。」
小さな声で聞いてくる。
! これは、チャンスかもしれない。一つ咳払いをして、
「俺の名前は、えっと、カイ!海って字のカイだ。」
あれ?なんか、違和感が・・・・・・でも気にしてる場合じゃない。このまま会話を繋げていかないと。
「君の名前は、なんていうんだい?」
急に名乗られ、さらに質問されたので驚かれたが、
「え?ぼ、僕?僕は・・・・・・?えっと、ソラ。空って字の。」
きちんと名乗ってもらえた。
名前を言う前に、なんだろう、変な間があった。聞きたかったが、変に突っ込んで、不安感をもってほしくない。それよりまずは、
「ソラ君か。最初に言っておきたいのは、俺は君に害を加える気はないってことだ。
そこだけでいい。信じてほしい。」
少々無理なお願いだけど、俺が無害だってことを証明するものが何もないから、これ以外方法がない。
少し考えていたが、ソラは軽くうなずいた。
「よし。じゃあ、えっと・・・・・・まずは、状況整理しよう。」
「は、はい。」
「俺はついさっき目が覚めたんだ。ここがどこかも知らないし、何も情報がない。
だから、君に声をかけたんだ。 君はどうなのか、聞かせてほしい。」
「えっと、僕もそんな感じです。目が覚めたらここにいて、知らない人がいて、それで驚いて。」
「ごめん。」
「いやっ別に、謝ることじゃ、ないです。一人だったら、どうなってたか。」
そんな状況を想像してしまったのか、ソラの体が震える。
じゃあ、今は何も情報なしか。
「じゃあ、あたりを調べてみよう。何かあるのかもしれない。」
「はい。わかりました。」
俺とソラは立ちあがった。
「なあ、ソラ君。歳はいくつなんだ?」
ふと、気になった。横に立つソラが、やけに小さかったからだ。
「えーと、12歳です。」
12歳か。それにしては、背が低いような・・・。140くらいか。ま、そんな人もいるか。
「カイさんは、いくつなんですか。」
「俺?俺は、18だよ。」
何か見つけたい一心で、部屋を調べた。しかし、学校の教室くらいの広さ。床には変な模様があるが、特に何もない。それ以外は何もなかったために、すぐに終わった。
「あとは、この大きな扉だけ・・・・・・。」
俺の身長は170ちょっとあるのだが、この扉の高さはその倍はある。こんなでかい扉、見たことない。
「よし。」
深呼吸をして、ドアを押した――― が、びくともしなかった。
引いたり、ふすまのように横に引っ張ったり、持ち上げようとしたり、いろいろ試したものの結果は変わらなかった。
「だめだこりゃ。」
結構疲れるな。
「僕がやってみてもいいですか?」
なんかそわそわしている。
「いいよ。」
こういうのって、人がやってるのを見ると、挑戦したくなるよな。
と、ソラが、扉に手をかけると、重い音をたてながら扉が動いた。
まさかソラが!?とは思ったけど、すぐにそれは違うってわかった。
扉が開いたそこに、人が立っていたからだ。
「お目覚めになりましたか。 勇者様方。」
聞きなれないその言葉に、緊張感が高まっていった・・・・・・。




