表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空は、  作者: くーべる
1
26/33

25

剣がぶつかり合う。

甲高い音が鳴り響き、耳が痛くなる。

戦闘におけるミカはすごく冷静だった。

一切口を開かず、休みのない剣撃を浴びせてくる。接近戦では分が悪い。

かといって、炎を使った攻撃をしても、火の精霊であるミカの炎の前では火力負けしてしまい、役に立たない。


「でえやあああ!」


大きな声で自分を猛らせ、剣を振る。

が、何度やっても防がれてしまう。

一度距離をとった、その時。


出口のほうからルタさんが歩いてくるのが見えた。

どういうことだ?外で待ってるって言ってたのに。


「何かあったんですか?」


そう言いながら歩み寄ったその時。


「そいつから離れろ!ソラ!」


ミカの叫び声。

目に映ったのは、腰にある刀に手をかけたルタさんで――――――

次の瞬間には、僕のいた場所を薙ぎ払っていた。



「な、何が……!」


急に斬りかかってくるなんて。


「魔族に操られているようだ。」


「魔族!?」


2日前ルタさんから聞いた話が頭に浮かぶ。

それが今、ルタさんを操っている魔族なのだろうか。


「これは……そうとうまずいな。」


ミカの表情には焦りが見えた。


「一時休戦だ。あいつをどうにかする。」


「どうにかって、まさか。」


ミカは少し間をおいて言った。


「最悪は殺さなきゃならないかもな。」


「そんな……。」


殺す、なんて。


「魔族に操られた者はとんでもない力を発揮するという。……一瞬も気を抜くな。私もどれだけお前をサポートしてやれるかわからない。」


うなずく。

やるしか、なかった。


「来るぞっ!」


限界まで集中していた。それなのに。ルタが視界から消えた。

ようやく視界に捉えた時には、目の前で抜刀体制に入った状態だった。

!! 右側からくる斬撃を、本能でガードする。

剣で受けたのに、すさまじい衝撃が襲う。


「うわあああっ!」


文字通り吹っ飛んだ。初めての感覚だった。

壁にぶつかり、勢いが殺される。

ほとんど見えなかった。ミカがなんとか防いでいるのだが、ルタの斬撃が目で追えない。


「く……そ、」


さっきの一撃だけですごいダメージだ。

でも。

立ち上がる。

まだまだ!





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ