23
その2日後。僕は、ルタさんの試練についていくことにした。
村から少し歩いたところに洞窟があって、その奥に火の精霊がいるという。
それにしても。
「そんな薄着で大丈夫なんですか?」
ルタさんの服装は、家の中にいた時と同じ白い服1枚。白い髪もそうだけど、雪と同化してわからなくなりそうだ。
「ま、慣れだよ慣れ。それに、種族のこともあると思うよ。私は狐族以外のことを知らないからなんとも言えないけど。」
よし。僕も装備はこれでいいな。
「準備オッケーです。」
「よし、行こう。」
洞窟までの道のりも、洞窟に入ってからも、特に危険なことには出くわさなかった。
あっという間に、洞窟の奥に到着した。
これまで訪れた水、木の精霊の場所とほとんど違いはない。
学校の体育館くらいあるこの広場で、たぶんアレをすることになるのだろう。
「火の精霊、ミカ様。この狐族ルタに試練をお与えください。」
そういうと、あたりが光に包まれ――――――小さな女の子が現れた。
低い背。僕より低いんじゃないだろうか。長く赤い髪に吊り上がった青い瞳は大きく、なんというか気が強そうな感じがすごくする。
「わたしを呼んだのは、お前か。」
ルタさんを指さしながら言った。
「はい。」
「狐族……。なるほどわかった。」
ルタさんから聞いた話だと、あの村のヒトたちは試練でこの精霊と関わりがある。この流れはもうお決まりなのかもしれない。
「が、そっちにおる小僧はなんだ?」
こちらに指をさされる。
「僕はソラ。魔王討伐のため、あなたの力を借りに来ました。」
そういうとミカ様(?)は目を細め何かを考えるように、
「魔王……?なるほど。わかった。」
今度は何がわかったのかわからないが。
「じゃあ、まずはそっちの女。そいつの試練から行う。ソラは見学でもしてな。」
いきなり呼び捨て。性格きつそう。