15
「答えは出たかい?」
その日の夜。昨日と同じ場所。
「ソラ君。」
月の光だけが、俺たち二人を照らす。
向かい合うソラの姿。近くもなく、遠くもない。そんな距離。目をじっと見つめる。
「どうしても、出ていくんですか。」
「ああ。俺の考えは変わらない。反対されるって、なんとなく予想はついてた。だから、今から城を向け出る。」
必要最低限の荷物はまとめてある。
「そうですか・・・・・・。」
しばらくうつむいていたソラだったが、顔をあげ、言った。そしてそれを俺は、聞いた。
「僕はカイさんと一緒には行けません。」
「・・・・・・そうか。じゃあ・・・・・・。」
振り返り、ソラに背を向ける。
「ここでお別れだ。」
一歩踏み出そうとしたその時だった。
「怖くないんですか!?」
大きな声。
「この世界に来て3日。何もわからない。僕もカイさんと一緒に行きたい。唯一の安心できる人だから。でも、その気持ちより、今の状態で旅に出ることの怖さ、不安のほうが大きいんです。」
言葉を一つ一つ吐き出すように言った。呼吸の乱れが聞こえる。
俺は・・・・・・。
「怖くないよ。絶対。」
そう、どちらにも言い聞かせるように言って、夜空へ飛び出した。