14/33
13
「城を出ていくって・・・・・・。なんでですか。」
低い声。詰め寄る声というには、弱すぎる声。
「色々理由はあるんだ。・・・・・・ソラ君、キミは今日、1年って言葉を聞いて、どう思った?」
「どうって・・・・・・。」
「俺は、長すぎるって思ったよ。1年もここにいたくない。何か・・・・・・。なんでもいいから、行動したいんだ。」
「なんでもって、なにをするんですか。僕たちが今できることなんてないと思います。」
ソラにしては、はっきりとした意見だった。できることはない。そう、言い切る形を使った。俺は、そう思いたくない。
「それを探しに行く。だから・・・・・・。」
大きく息を吸い込んで、言う。
「一緒にここを出ていかないか?」