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空は、  作者: くーべる
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13/33

12

「大丈夫?」


手を差し伸べながら言う。

さっきの大声に驚いてしりもちをついてしまったみたいだった。


「だ、大丈夫です。ありがとうございます。」


ソラが手を掴んだのを確認して、引っ張ってやる。

さて・・・・・・。


「なんでここに?」


短い質問だった。

言った後に、もうちょっと言葉がほしかった、なんて自分自身が思ってしまったくらいだったが、


「眠れなくて。そしたらカイさんが部屋から出ていく姿が見えたので、こんな時間にどこへ行くのかなって。」


眠れなくて・・・か。


「俺は今日、いつの間にか寝ちゃっててさ、目が覚めちゃったんだ。そのまま眠っても良かったんだけどさ、ちょっと思うことがあって。それで・・・・・・。」


「なんですか、思うことって。」


不安そうな顔で訪ねてくる。

俺の頭から離れてくれないのは元の世界のこと。今ここで、ソラに聞きたい。地球での俺たちの存在は、どうなっているのかなって。俺と同じように召喚されたソラになら、打ち明けることができる。そうしたら、少しは不安も和らぐ。

でも・・・・・・言えない。こんなこと言ったら、ソラを絶対に不安にさせる。俺は18でソラは12。俺が、しっかりしないと。

でも、やっぱり不安なんだ。ここで1年も、立ち止まっていたくない。だから。


夜空を見上げる。

しばらくの間、星空を眺めていた。


「なあ。ソラ君。俺、城から出ていこうと思ってるんだ。」


星々を眺めたまま、つぶやくように言う。


「え・・・・・・。」


その声は、驚いていた。




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