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目が覚めた。
今、何時だろう。目覚まし用にと枕元に置いてあるスマホを手に取り、時間を確認する。2時26分だ。
明日から新しい生活が始まるからって、緊張しているのだろうか。いや、しているな。
自分はいつからか、"初めて"が苦手になった。自覚したのはずいぶん前だが、それは今も変わらない。
ゆっくりと起き上がる。まだ少し寒いな、なんてことを感じながら冷蔵庫からお茶を取り出し、飲む。
「ふう。」
ひとつ息を吐いて、再び布団に入った。流石にまだ時間が早い。
もう一度眠りにつく時、ちゃんと時間どおりに起きられるだろうか、なんていつもどおりのことを考えながら、不安ばかりを膨らませていった。
空は、まだ薄暗かった。