回答不可能
掲載日:2015/06/05
僕等は何時も失ってしまう。
守っていたはずなのに、
水の様に、掌から消えて行ってしまう。
僕らはいつも探してる。
ヒントを、
答えを、
玩具を取り合う幼児達の泣き声、
それを見ながら、どの子を攫おうかと煙草をふかしならがら品定めをする無精髭の男、
それをベンチから眺める私、
そしてその全てを見下ろしている鬱陶しい青空、
軋むブランコ、錆び切った蛇口、散らかったスコップやバケツ、水の流れていない噴水、
商店街の喧騒、
駅のコインロッカーに小銭が落ちる音、
一点を見つめながら、ただ只管に爪を噛んでいる青年、
壁に貼り付けられた木の仮面、
そこらじゅうに答えは転がってるのに、
僕は何時も見落としてしまう。
こんな自分に嫌気が刺してるのに、
僕は生きることをやめられない。
終止符を打つ権利は、
とっくの昔から持っているのに、
僕は生きることをやめられない。
なんでだろう。
わからないよ。
この疑問には、
回答不可能。
どれだけ探しても見つからない。
でも悔しくはない。
わかってるんだ。
本当は見つけたくないってこと。
ただ必死に探してたいだけなんだってこと。




