ある村人の愚痴
貴族ってやつはなんでこう・・・
俺は貴族という奴らが嫌いだ。
と、主張してみたが実際のところ好きな奴なんてのはいない。
俺たちが働いた成果の中から理不尽におこぼれを貰っているだけの癖に
態度だけは熊なみにでかい。
税金を持ってかない分、熊の方が幾分も可愛げがあるってもんだ。
何十年か前は戦争だなんだと貴族や王族が戦うこともあったらしいが
大規模な戦争が終わってからは、嫌味かというほど平和だった。
だもんで、戦うことと政治をすることくらいしか仕事がなかった王族や貴族は
完全にやることが無くなった。
で・・・だ。どこでもそうらしい。
やることのなくなった支配階級はやたら勉強したがるようだ。
哲学だの科学だの魔法学だのと・・・
そしてここにもあるのだ。
俺たちが飼っている牛のリュームの背後に聳え立つやたらでかい建物。
もちろん俺たちが作ったこの建物は、王族や貴族の子供達に魔法学を教えるための学校。
「マジック・ガーデン」・・・だったと思う。
名目は「庶民を守る力を持つ魔法使いの育成」だが・・・
早い話が暇人どもの社交場だ。
俺たちにはな~んも関係ない。
それどころか、何度も言うが嫌味かというくらいこの世界は平和だった。
お前らに守られる必要はないってーの。
これが貴族流のジョークだったら、そうとうタチが悪いと思う。うん。
今頃生まれのいいガキどもが机並べて暇つぶししてんだろうなぁ。
ごくろうさん。