逃走中
篠原リコ、15歳と4ヵ月。私は今………………………………逃走中です。
「わぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
ええ、私は逃げてるんです。
逃走中って言っているほどですから。
犬とか狼とかではありません。もちろんここは現代なのでゾンビとかでもありません。
何に、いや誰に逃げているのかと言いますとそれは…………………………………
「逃げんな、ボケェ~~~~~~~」
私の大事な友人A、B、Cです。
…………………別に本当にA、B、Cって言う名前ではありませんからね。
追われている理由は2時間前。
でもその事の発端は2年も前なので順に話してゆきましょう。
それはそれは2年前の夏。
私は同じクラスの男子に恋をしました。ええ、一目惚れではありませんが初恋です。
なので男子と話さない私ですが頑張りました。それはそれは。
ですが彼には好きな人がいました。
これを聞いたらあなたはどうしますか?
私は好きとも言えずそっと身を引きました。これが新学期始まる前です。
3年の最後のクラスは彼とは思いっきり離れこのまま儚い初恋だったと完結するのだと思ってました
…………………そう半日前までは。
~半日前~
「リコ~~~~航貴くんに手紙出したから」
あ、忘れてました。高崎航貴っていう名前です。
もちろん私の周りの友人たちは知っています。
もちろん彼に好きな人がいることも。
「なんで私に言うの?」
「そりゃ、リコの名でラブレター書いたから」
一瞬、は?って成りました。あなたもなりますよね。
いきなりあなたの名前でラブレター書きましたって言われたら。
しかも………………………………………
「今日の帰り理科室で待ってもらうから告白しておいで」
なんて軽く言うもんだから何がって思いました。
それから私は逃げようと必死だったんだけど失敗。
航貴君いないでって祈るも先に来ていて。
まぁ、優しい彼のことだから来るだろうなって内心思ってたり。
で、理科室前でひともんちゃくあり逃げています。
だけど荷物を教室に忘れたから帰れないんですよ。
絶対今言ったらD、Eに見つかって捕まえられる!!!!!!!!!
なので私の作戦はこう。
まずは5時まで逃げる→多分帰ってるはず→なので告白できない→明日朝早く航貴君に詫びを言い終わり。
我ながらいい考えです。
そのため後30分逃げなけばれ………………………………………………
「はぁ、はぁ」
現在駐輪場。ここは壁で地面が見にくいところなので隠れるのにうってつけ。
最高な場所です。
もうすぐ受験かぁ。勉強しないとなぁ。
はぁ~~~~~~~
「卒業したくないなぁ」
「うん、そうだね」
はい?!
な、なななななななんで?!
だってだってり、理科室にいるはずですよね、航貴君。
「理科室から見えたから」
ああ、そう言えばここの上理科室でしたね。
当たり前と言えば当たり前か。
「で本題に入っていい?」
本題っと言いますとやっぱり……………………………………………
「何か言いたいことでも有ったの?リコちゃん」
「うううううううん。これはね」
「ラブレターだったら嬉しいな」
へっ?今なんていいました?
ラブレターダッタラウレシイナ
ラブレターダッタラ…………………………………
き、期待しちゃいますよ?って乙女な部分がでたり。
大丈夫、断ることできる。だってずっとそうして来たから。
「あのね、」
「僕ね、リコちゃんのこと好きだよ」
…………………………………はい?
本日二度目の理解不能が。
てかその言葉はどっちの「もちろん女の子としての好きだよ」…………さようですか。
ん?はへ?
「はい?!?!?!?!?!?!?!」
「相変わらず面白いね」
いえいえ、面白いとかではなくて。
言ってること分かってますよね……………?
「リコちゃんの友人からさぁ、はっぱかけられちゃって。だから言うことにしたんだ」
そう言ってギュッと手を握られた。
「僕はリコちゃんのこと好きです」
「わ、私も」
ーーーーーーーーーーーーーーー大好きです。
逃走して着いたのは彼の場所でした。