0015 準備
「故郷の村に送る!?」
「そのまんまの意味です!」
えぇ...そんなんたまたま近くに居て、たまたま助ける事ができたたまたま人間にそんなこと頼むの?もっと信用できる相手いただろ...
「俺は別にいいけどもっといい奴がいるんじゃないのか?」
「すみません...私顔が広くないので...」
うーん、そっか...
「友達という友達は...ワイバーンに巻き込まれた人たちで...」
グスッ...ヒグッ...
あーやばい!余計な事言ったから泣かせちゃった!
「えーと、じゃあ俺がその村まで送ってあげるから!な、泣き止むんだ!」
「ありがどうございまずぅ~~~」
うわぁ~更に泣かせてしまった...
うわっ!めっちゃ鼻水つけるやん!
まぁ大切な仲間を失ってすぐだし無理はないか...
とりあえず旅立ちの準備をしよう。
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まずは食料。
俺とこいつ...
「そういや名前聞いてなかったな」
「フローラです」
フローラか...いい名前じゃん!
「俺はテンオ、この犬みたいな狼みたいな奴がガウだ」
「いぬ?おおかみ?主人その名前の生き物はどんな奴ですか」
あぁごめんこの世界に犬とか狼の存在はそもそも無かったらしい。
「ところでその村までどれくらいかかりそうなんだ?」
「歩きで一か月程ですね」
長っ!そんなにあるのか...だとすると相当な量になりそうだな...ていうかそんな量持ち運べるのか?
《スキル:異空間収納を作成しました》
《試運転として発動します》
目の前の空間が裂けた。
ここにアイテムを収納できるのか...これなら大丈夫そうだな
俺とフローラとガウの一か月分の食料を詰め込んだ。
俺とフローラはまだしもガウのことがあって金貨2枚と銀貨12枚かかった。
ちなみにフローラが教えてくれたんだが金貨1枚で銀貨20枚、銀貨1枚で銅貨10枚だそうだ。
なんで金貨1枚が銀貨20枚なんだよ!きり悪すぎだろ!
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次は雑貨屋に来た。
ここでは食器類や怪我の応急処置用のものを買った。
その次に寄ったのは武器屋。
俺はスキルがあるので要らないとしてフローラは...
「何の武器を使うんだ?」
「ワイバーンで壊れたんだけど槍だよ」
フローラが選んだ武器を買った。
金貨1枚ってことで結構した。
ちなみになんで俺がフローラの分まで買っているかというと前にも言っていたんだがお金も馬車の中らしい。ワイバーンにやられてね...
「じゃあ全部揃ったし行くか」
「え?でももう夜ですよ?」
気づいたら辺りは暗くなっていた。
「...明日にするか」
「そうですね...」