0013 転生者
冒険者ギルドに戻ると俺が冒険者になる時に受付てもらった金髪の女性に話しかけられた。
「ギルドマスターがお呼びです。どうぞ奥に」
ん?ギルドマスター?なんで俺?こういうのって討伐した奴が呼ばれるからこの場合あの偉そうな奴が呼ばれるよな?
いや、俺が戦っていたところを誰かが見て俺が優秀だと判断して大量の報酬を用意しているとか?
冗談はこれぐらいにしてそのギルドマスターとやらと話しをするとするか。
ていうか...
「ガウも入って大丈夫ですか?」
「従魔は冒険者ギルドの玄関に留まらせてください」
「だそうだからちゃんと待っておけよ」
「承知!主人の頼みならこの命尽きるまででもお待ちします!」
「そんな重大なことじゃないから...」
なんかエスカレートしてない?ガウの忠誠心...
「それではついてきてください」
言われた通りに俺は、受付嬢の後を追った。
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「失礼します。ギルドマスター」
そう言って受付嬢はドアノブに手をかける。
ドアが開くとそこには...
「アーーー!あん時のいかついおっさん!お前よくも俺をまたワイバーンに戦わせにいかせたな!」
「ハ!?誰がおっさんだ!小童!」
おっさんはけんか腰だ。
「小童ぁ?それって自分が年取ってて俺は若いって自分で認めてるじゃ~ん」
「お前わしを誰だと思っている!」
だれってそりゃぁ...
「おっさん!」
「てめぇ切り殺すぞ!」
えぇなんでこんなキレるの?
「わしはギルドマスターじゃぞ!」
え...
「今からお前を切り殺す!この大剣 グロミネスでなぁ!」
そう言って明らかにやばそうなオーラを放っている剣を鞘から抜く。
あぁやばいやばい!マジで殺される!
「む?その服...」
そう言って剣を鞘に収める。
「お主転生者か...」
そう言っておっさ...ギルドマスターは椅子に腰かけた。
危な...殺されかけたぞ...てか急に普通に喋りだすってメリハリつきすぎて逆に怖い...
てか転生者ってなに?ワイバーン倒したあともそんなこと言ってる奴いたな...
「その様子だと転生者という存在も知らんようだな」
まぁそうだね
「いい機会だ転生者とはないかを話すとしよう」
なんかギルド職員たちが紙芝居だしてきたぞ...
「転生者とはその名の通り転生してきた者のことを指す」
うわっこの紙芝居絵が酷いな...小学一年生の落書き並だな...
「転生者は転生するとき必ず異世界からやって来る。転移者も似たような者だな」
この世界から見ての異世界だから、俺の場合元の世界からこっちの世界にやって来るという感じか。てか転移者とか早速分からん単語出てきたな...
「転生者は一か月に5人程度、転移者は一か月に30人程やって来る。だがどちらも森の中で出てくるものだから大体死ぬ、だから転生者は1人、転移者は3人位普通に生き残る」
て、ことは俺は運が良かったんだな。でも生き残る確率がおかしい。転生者は生き残る確率が20%、転移者は10%。明らかに転生者の方が生き残りやすい。
「なんで転移者は数が多いのにそれだけしか生き残れないんですか?」
「それは転生者は特別に初期スキルというのを持っているからだ。転移者はここの世界の平民と比べると全能力値が高い。それは転生者もなんだが転移が起こるのは自然現象だ。空気中に漂っている魔力が充満して暴発して転移が起きる。だが転生はその死んだ人間の魂の強さがあまりにも強くて転生が起きる。そういう魂が強い者だから初期スキルが貰えるという説がある。その魂が強ければ強い程強い初期スキルが貰えるのだが強い分代償が大きくなる。その代償は人によって違うお前の代償とスキルはなんだ?」
長ったらしいなー
「俺は多分失っているのは前世の記憶です。あとスキルはスキルを作れるスキルです」
ブフォ!
うわ!汚い!ギルドマスターが吹いた!つばかかった!
「そのスキル、極級を超えてるんじゃないか!?」
「極級?なんすかそれ」
「まずスキルにはランクがある。下から順に底級、普級、強級、極級がある。それ以上もあるらしいがわしも長い間ギルドマスターをやってきたが見たことをない...」
そ、そんなすごかったのか...
「というかすごいな記憶を代償って相当でかいな...わしが前みた奴は怖気づきやすいって代償だったぞ。スキルは一度食べた味を二度と忘れないだったな...もちろん底級だ」
しょぼ!可哀想すぎるだろ...
「だが生き残っている奴の半分は強いお前もそのうちA+になるかもな」
そう言ってギルドマスターは笑う。
ちなみにA+は冒険者の最高ランクだそうだ。
「おっともうこんな時間か」
ギルドマスターが言うので外を見るともう日が暮れていた。
「じゃあそろそろ帰りますね」
「あぁ分かった。せいぜい死ぬなよ」
そう言われて俺は冒険者ギルドを後にした。
にしてもあの紙芝居何だったんだ...