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尾道、坂の上神様斡旋所  作者: 柿元俊人
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見えた解決の糸口③

細切れですんません。

私はコピーを猛然と手繰る。


『今昔画図続百鬼』と走り書きされたコピーには、黒く長い、毛むくじゃらの、人のような猿のような生き物が描かれている。


「・・・・深山に攫あり。覚と名付く。」



「つまり、覚と山童と狒々と攫は、どれも違うようで似た性質を持った妖怪だって事ですね。遠く中国に居るとされた攫という妖怪は、日本では覚と名付けられた。覚は狒々と共通する「心を読む」という能力を持ちますけど、また同じ様に山童も「山でわらう」という特徴で結ばれている。そして攫は正式には攫猿と言い、猿に類するもので、女性を攫って犯すという特徴を持っているんですよ。女性を攫って、お嫁にするそうです。だとすると、狙われたのは、年若い女性ばかりでしょうね。」



頭からどんどんと血の気が引いていくのが解った。


女性をさらう、山のわらわ。



「わらわ様の正体が、少し見えた気がしますね?」


首を傾げて私を見るその姿に、私は喘ぐように頷くことしか出来ない。



「貴女が見たという山の中のお堂は、猿神である何かを祀っていたんだと思います。そして貴女のお友達も、お堂に近付いている。お堂にいる猿神は、嫁にする生け贄を求めているわけですから、そうだとすると、きっと、生け贄達を山へ呼んだでしょうね。呼ばれた彼女達は悩んだ末に、どうするでしょう?誰かを身代わりにするか、伝説のように猿神を退治してくれる誰かを探すか。伝説にある生け贄の女性は、家族のために泣く泣く山へ入るつもりでした。お友達は、何を思ったでしょうね。」


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