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シオン   作者: 翡翠の黄昏泣き
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この音楽は何処へ。

_序章。

 

 遠い昔。人間が楽器、音楽をほとんど知らなかった頃。

 ユージア大陸のとある農村にて。

 「アル、この音階は『ド』だって言っているでしょう!?」

 「シャル姉ちゃん、そんなもの今まで聞いたことないもん!」

 シャル姉ちゃん、か。私はエルフとして生まれ、魔法を用いて音楽を作ってきた。今まで何百年と生きてきて、「楽器」「音楽」に理解を、興味を持ってくれた人間はアルだけだ。嬉しい気持ち半分、不思議な気持ちがも半分。

 「じゃあ、次はピアノを弾こうか」

 アルがピアノを弾く。まだ少ししか練習をしていないのに、上達が速い。まあ、私が教えたし?当然かな。

 そんな新しい日常は、私にとってかけがえのないものとなっていた。その日常はこの先も続くと思っていた。”思っていた。”

 

 「うるさい音を鳴らすな!『音楽』?そんなもの知るか!無意味なんだよ!消えろ!」



 一か月後。私は船上にいた。

 音楽なんて。

 無意味だ。

 私の音楽が、人を幸せにしたことがあっただろうか。理解されたことがあっただろうか。

 アルだって、ほんの気まぐれだろう。数年もすれば、私の元を去っていたに違いない。

 他人に音楽を、『私』を理解してもらおうなど、元から無理だったのだ。船の、波の、又は日常の些細な音。それに、リズムを見出してしまう私で、あきらめの悪い私だけど。所詮、自己満足。期待をするから、失望をする。

 もう。

 期待はしない。

 音楽とは、関わらない。


_アルの手記。

 あの、複数人による音楽への罵倒からシャルは僕の所へ音楽を教えに来ることは無くなった。

 「ごめんね」の一言を僕に残したまま。

 突然、居なくなったシャルだけど。僕に残していった物は、一言だけではない。楽器や、数々の知識。これを少しでも世界に広めれば、世界は幸せになるだろうか。

 シャルは、報われるだろうか。


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