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リヴィニア恋歌  作者: ゆえこ
一章・幼年期編
30/36

29.王子と婚約者

あけましておめでとうございます!

遅くなりましたがなんとか更新する事ができました。

スローなマイペースですがこれからもアリアーシュとヴィクトルのお話を書いていきますので楽しんで頂ければ幸いです♡

今年もよろしくお願いしますヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ

豪華絢爛なホールに鳴り響く優雅な演奏、テーブルの上には贅沢を形にした豪勢な料理が並んでいる。

集まった貴族達はワイングラスを片手に思い思いに談笑している。


そしてわたしは王子の膝の上に横抱きに座らされていた。


なぜこうなった…。

数時間前の事を振り返るとこうだ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「あなたが好きでした」


王子に気持ちを告げ、わたしは自分の胸に剣を突き立てた。

思い残す事があるとすれば家族のことだ。


家族…。

わたしをアリアーシュとして愛情を持って大切に育ててくれた家族。

わたしがずっとアリアーシュと偽って一緒に暮らしていた家族。


お父様、お母様、アルバート…ごめんなさい。

ずっとずっと騙しててごめんなさい。


…………………………

………………………

……………………

…………………

………………

……………

…………

………

……



おかしい…。先程から力を入れているのに剣が動かない。

恐る恐るゆっくり目を開けると


「言い逃げなんてさせないぞ、アリアーシュ」

王子が刃を握りしめていた。


「お前はいつだってそうだ、何もかも自分で決めて俺を置いて行く。一人で決めて一人で行くな!俺はもうお前を一人で行かせはしない!俺の傍にいろ、アリアーシュ!」

「できません!!…わたしは…わたしはアリアーシュじゃないから!!」


わたしは王子が好きになったアリアーシュじゃない。

わたしは家族が愛したアリアーシュじゃない。


わたしはアリアーシュじゃない。


「お前はアリアーシュだよ。ずっと変わらず誇り高く気高い公爵令嬢アリアーシュ・セラトリアだ。だから俺はあの日、公爵邸の庭でお前にあった日、もう一度お前というアリアーシュ・セラトリアに惹かれた。好きだよ、アリアーシュ」


カランカランカラン

わたしの手から剣が離れ、地面に転がった。

「どんな事があっても俺はお前の味方だから、何があっても守るから、一緒に幸せになろう」

「うっ…ううっ…」

わたしは王子に抱きしめられ、優しい温もりに包まれながら涙が枯れるまで泣いた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇



城までの帰りの道中、婚約解消?騒動はお披露目会の余興という事になっていると王子から聞いた。

あれが余興で済むならわたしは大した役者である。まあ、あれはアリアーシュだからわたしではなかったんだけど。


このまま普通に帰っても余興だと信じてもらえず、王子とその婚約者が不仲であると思われるかも知れない。

そこで王子からの提案が晩餐会で二人の仲の良さを周りにアピールし、あれが余興だったと思わせるということで…。


それにはわたしも同意した。

王子のお披露目会で王侯貴族が多数いる中、婚約者との仲が不仲で婚約解消騒動を起こしたとか洒落にならない。

余興で済むなら済ませたい。


だからって…。

だからって…。


ずっと王子の膝の上とか聞いてない!!


なんなのこの公開処刑。余裕で恥ずか死ねるんですけど…。


「どうしたの、アリアーシュ?俺から離れたいの?」

「い、いえ…」


これが仲良しアピールになるかどうかはわからない、しかしアリアーシュが大勢の前で婚約を解消すると言ったことで、こうなってしまったわけで、わたしには拒否権がない。


「ダンスが始まるみたいだ。行こうか、アリアーシュ」

王子はわたしを横抱きにしたまま、所謂お姫様抱っこというやつでホールのセンターに向かった。

みんなが見てると思うのは自意識過剰であって欲しい…。


ホールのセンターに着くと王子はようやくわたしを降ろしてくれた。

足に伝わる地面の感触が懐かしい…。


わたし達の準備が完了すると音楽が鳴り始めた。

王子の手を取り、王子のリードでステップを踏む。


動けない期間があったわたしはダンスが苦手で、王妃教育免除科目の代わりにダンスレッスンが加わり、王城でレッスンを受けることになった。

それからわたしが王城でレッスンを受けるなら一緒に受けたいと言い出した王子とパートナーを組んで一緒にレッスンを受けるようになったのでわたしと王子の息はピッタリだ。


わたし達のダンスが終わると拍手が鳴り響いた。

どうやら上手く踊れていたようで安心した。


「アリアーシュ、もう一曲いいかな?」

「はい」


わたしは王子から差し出された手を取った。


再び王子と踊る事になって正直安心した。

何度も言うけどわたしはダンスが苦手である。

王子以外の人と踊ったことのないわたしは王子以外の人と踊れる自信がない。


王子と踊りたいご令嬢の方々、ごめんなさい。次は変わりますので…。


…っ!?


二曲目で多少疲れていた所為か、はたまたダンスに集中していなかった所為か、足がもつれ転びそうになった。


そんなわたしを王子は何事もなかったかの様にひょいと抱き上げ、華麗にターンを決めた。

「俺と踊っているのに心ここに非ず、だね?」

「い、いえ、そういう訳では…」


王子はわたしを床に降ろすとぐいっと腰を抱き寄せた。

わたしと王子の距離がさらに近付く。


「アリアーシュは今、誰と踊っているのかな?」

「殿下…です」

「じゃあ俺を見て、俺だけを見て。俺の事だけ考えて。いいね?」

「はい」


抱きしめられていると錯覚するほど密着し、耳元で甘い声で囁かれ、アメジストの美しい瞳で真っ直ぐに見つめられ、王子の甘いおねだりに、まるで催眠術に掛かったかの様に素直に頷いてしまう。


わたしの目は王子しか見えず、王子のアメジストにはわたししか映っていなくて、まるで二人きりの世界だ。

しかし演奏の終わりと共にその時間にも終わりが来る。


離れ難く思いながら手を離し、礼をする。

「きゃっ!?」

次の瞬間、わたしは王子に抱えられていた。


「我が姫君がお疲れの様ですので我々はこれにて失礼させて頂きます。皆様はどうかこのまま最後までお楽しみ下さい」


そう言って王子はわたしを抱えたまま、ホールを後にした。

主役が先に帰るなんて怒られるんじゃないかと思ったけど、チラリと見た陛下も王妃も笑っていたから大丈夫かな?

お読み頂きありがとうございました♡♡♡


面白いと思って頂けたり、続きが気になったり、お気に召されましたらブックマークや⭐︎にて評価を頂けますと大変励みになります(●´ω`●)ゞ

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