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せんちゃんと白いくま

作者: 美月 弥生

ごくごく短い、小説と呼べるかもわからないものです。

ぼんやりと思いついたものを初めて文章にしてみました。

拙い物ですが読んでもらえたら幸いです。

ボクは、まっ白なくまのぬいぐるみ。

せんちゃんが生まれた日に、パパが小さなおもちゃ屋さんでボクを見つけたんだ。

その日からボクは、いつもせんちゃんと一緒にいる。


せんちゃんは、まだちっちゃくて眠ってばかりの男の子の赤ちゃん。

起きるときは、おなかがすいた時くらいで

「おぎゃー」って泣いて、おなかがすいたよぉって教えるんだ。

せんちゃんが泣くとママは、せんちゃんのおむつを取り替えて

おっぱいとミルクを飲ませる。

おなかがいっぱいになると、またせんちゃんは、すやすやと眠ってしまう。

早くせんちゃんと遊びたいのになぁ・・・赤ちゃんって眠ってばかりなんだよね。

そのくせ、すぐにおなかがすいちゃうみたい。

夜中でもおかまいなしだから、ママはいつも眠たそうだ。


少し日がたつと眠ってばかりだったせんちゃんがニコッと笑うようになった。

初めてせんちゃんが笑った日はママもパパも大喜び。

ママはまだ時々夜中も起きてせんちゃんにおっぱいをあげたりしてるけど、

せんちゃんも夜はたくさん眠るようになったから、

かわいいなぁって思うことが多くなったみたい。

ボクはせんちゃんのそばにいるんだけど、まだ気づいてもらえてないみたい。

赤ちゃんって、まだよく目が見えないんだって・・・


せんちゃんがやっとボクに気づいてくれた!

寝ながら両方の足を上にあげて右に左に動かしてるうちに

クルンとせんちゃんの体の向きが変わっちゃったんだ。

その時にね、初めてせんちゃんと目が合ったんだよ。

ボクはいつもせんちゃんのベッドの頭のほうにいたからね。

せんちゃんはボクを見たのとクルンとしたことでびっくりして「うわ~ん」ってなきだしちゃった。

ママが慌てて見に来たんだけど、ママもそれを見てびっくりしてた。

でも、ママは「うわ~ん」って泣かないで、すっごくよろこんでた。

赤ちゃんは、寝てばかりからだんだんと自分で動けるようになるんだって

クルンと体の向きを変えられるのは、その初めの一歩なんだってさ。

良かったね、ママ。

良かったね、せんちゃん。


ある夜のこと、パパとママがとても心配そうにしていた。

いつもは冷静なパパもどうしていいかわからないみたいで落ち着かない・・・

せんちゃんが生まれて初めて熱を出したんだよ。

顔は真っ赤だし、体もうんと熱いし、それに苦しいのかずっと泣いてるんだ。

困ったパパとママはどこかに電話をしていた。

夜でも診てくれるお医者さんのところだ。

せんちゃんがずっと泣いてるから、どこか痛いのかもしれないって言われたみたいで

二人とも大慌てで病院へ出かけて行ったよ。

ボクは誰もいないお家でお留守番。

しばらくして、3人とも帰ってきた。

せんちゃんは、ぐっすり眠っていたよ。

大変な病気じゃなくて、赤ちゃんが生まれて初めてかかる病気なんだってさ。


せんちゃんは、だんだんといろんなことが出来るようになっていったんだ。

一人で座っていることもできるようになって、ハイハイもできるようになって

ある日突然、テーブルにつかまって一人で立っていて・・

でも、ぐらぐらですぐに転んで大泣き

ママはせんちゃんからちっとも目がはなせなくなった。

そのうちに

せんちゃんは一人で歩けるようにもなって、パパもママもすごく喜んでいたけど

もっともっとせんちゃんから目がはなせなくなっちゃった。


ボクといっしょに寝ていたベッドももう小さくなって、

せんちゃんはママとパパと一緒に眠るようになった。

ボクはせんちゃんのベッドから、おもちゃ箱へとお引越し。

ちょっと寂しかったけど、せんちゃんはボクをおもちゃ箱の中から見つけると

必ず、ぎゅーっと抱きしめてくれるから大丈夫さ。


だんだんと動いたり歩けるようになったようにせんちゃんは少しずつおしゃべりもできるようになっていったんだ。

最初は「あ~」とか「う~」って言ってて

それが「あ~あ~」「う~う~」になって

そのうちに「まんま」って言えるようになったんだ。

ママは「ママ」だと思って喜んだけど、あとから、ご飯の「まんま」だって気づいて、ちょっとがっかり。

一つおしゃべりができるようになると次々といろんなおしゃべりができるようになって

ボクのことは「くまたん」って呼ぶの。

「くまたん しゅき」ってぎゅってしてくれる。

ボクも大好きだよ。ずっとずっと一緒にいようね。



それは、ある日とつぜんにやってきた。

せんちゃんはいつの間にか大きくなって、幼稚園というところに行くようになっていた。

お友達もたくさんできて、もうボクとあまり遊んでくれないし

ボクのことをおもちゃ箱で見つけても、前みたいにぎゅっとしてくれなくなった。

かいじゅうやテレビのヒーローのおもちゃが増えて、おもちゃ箱はいっぱい。

今にもあふれそう・・・

ボクはおもちゃ箱の下のほうでじっとしているだけだった。


ママがせんちゃんと何か話をして、それからボクをそっと箱から出すと

小さな段ボールの箱の中に入れた。

他にもせんちゃんが赤ちゃんの頃に使っていたものも入れられた。

段ボール箱のふたがそっと閉じられて箱の中は真っ暗だ。

せんちゃんはもう遊んでくれないのかな・・・

そんなことを考えていたら

ボクはだんだんと眠くなってしまって、そのまま眠ってしまった。



ボクは、どれくらい眠っていたのかな?

誰かの笑い声でボクは目が覚めた。

目は覚めたんだけど、真っ暗・・・

そうだ、ボクは段ボールの箱の中にいたんだった。


「ねぇ、この箱でいいの?」

男の人の声がした。

「え?あぁ・・・そうそう、その箱よ」

これはママの声、じゃあさっきのはパパの声だな。

ボクがまだ寝ぼけていると勢いよく段ボールのふたが開けられて

まぶしい光と懐かしい匂いにボクは一瞬クラクラした。

パパはボクを箱から取り出して

「あった!あったよ!くまたん!懐かしいなぁ」

そう言うとボクをぎゅっと抱きしめた。

「洗ったほうがいいわね」

ママがそう言うとまだ寝ぼけ眼のボクを石鹸できれいに洗ってくれた。

そして、ボクはポカポカと暖かい日差しの差すベランダの物干しに干された。

窓もカーテンも開け放たれ、物干しからリビングが良く見える。

リビングにはパパとママと知らない女の人と

そして

ん・・?パパがもう一人?!

いや、違う違う!この人は・・・そう!せんちゃんだ!

パパにそっくりになった大人のせんちゃん

せんちゃんにだっこされてるのは、

可愛らしいピンクのおくるみのちっちゃな赤ちゃん。


せんちゃんがベランダに近づくとだっこされてた赤ちゃんは、

まぶしそうに眼を閉じて、くしゅんと小さなくしゃみをした。

「やあ、くまたん、久しぶりだね。これは僕の娘のみさきだよ」

そう言ってせんちゃんは、だっこした赤ちゃんの顔をボクの方に向けた。

長いまつ毛がせんちゃんによく似ている。

「みさき、僕のお友達のくまたんだよ。

 これからは、みさきともお友達だからね」

せんちゃんがそう言うとみさきちゃんは、また小さなくしゃみを一つした。


初めまして、みさきちゃん

ボクは真っ白・・

あ、ちょっと汚れちゃってるくまのぬいぐるみのくまたん。

これからいっぱい遊ぼうね。





















文章力無さでもっと掘り下げたかったのにできませんでした。

いつかもっとちゃんとした物を書けるように精進します。。

(*- -)(*_ _)ペコリ

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