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なろうラジオ大賞4

『俺、体育祭で優勝したらあの子に告白するんだ』そう言っていた親友は体育祭の後で姿を消した

 うちの学校の体育祭は体育の日に行われる。なので、翌日の火曜日は振替休日となる。そして、水曜日に学校に行ったら親友の姿は見当たらなかった。ちょっと胸騒ぎがした。というのも、昨日も何度か連絡をしたのだがメッセージは既読にならずに、電話をしても繋がらなかったからだ。


 悪い予感は的中してしまい、彼はその後も学校へと現れる事は無かった。


 そう言えば、『俺、体育祭で優勝したらあの子に告白するんだ』と言っていたあの子も失踪してしまったらしい。一部では親友とあの子が駆け落ちしたのではないかという噂も上がった位だった。


 体育祭で優勝した後に親友に頼まれてあの子に言付けしたので、どうしても気になってしまう。だから、足取りを追ってしまうのも仕方ない事だろう。何度も体育館裏に来ては手掛かりが無いかと探すが未だに何も見つからなかった。その時、茂みの奥に何やら光るものが見えた。


「おっ、ラッキー! って違う違う」

 手にしたのは五百円玉だった。探している物はこんなのではない。手を振り上げるとそれを勢いよく地面へ叩き付け……ずにポケットにしまうと、とぼとぼと体育館裏を後にした。


▽▼▽


 目が覚めると草木が生い茂る林の中に俺はいた。起き上がって確認すると俺は体操服姿だった。

「そうだ、体育祭が終わってあの子を待っていて……」

 それからどうしたのだったかが、ぼんやりとしていて思い出せなかった。


「うっ、うんっ」

 声がしたのでそちらに向かうと、そこにはあの子が寝そべっていた。彼女も体操服姿だという事は一緒に連れてこられたのだろうか。

「大丈夫?」

「ええ。てっ、ここはどこ?」

 彼女は周りを見て唖然としていた。確かに、かなり自然味溢れる場所であるのだ。


「分からない。何か、憶えている事は無いか」

「ええっと、確か、君の友達に体育館裏で君が待っているから行ってと言われて、あれ」

 どうやら、彼女もその後は上手く思い出せないようだった。


「誰によって連れてこられたか分からないが、一先ずもう少し人気(ひとけ)の有りそうな場所を探そうか」

 俺は彼女に手を差し伸べて引き起こすと、連れ立って歩き始めたのだった。


▽▼▽


「まさかとは思ったが、やっぱりだった」

 体育館裏で魔力の残滓を発見した。それも転移魔方陣に使われるものだ。僕は4年前に一度異世界転移をした事がある。一ヶ月程で帰ってこれたのだが。その時の道具が役に立った。


「必ず救い出してやるからな」

 僕は光の中へと踏み出した。

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