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夢現夜  作者: 星空
4/4

ヒト

──時は2913年に遡る。


「はぁ。また全国政府についてのニュースやってるんだけど。もう見飽きた」


 ため息を付き、呆れたような顔で話すのは春表 海(はるおもて かい)。シェアハウス仲間兼私の幼馴染だ。小学3年から現在中学2年までの全てのクラス分けで同じクラスになっていて、まさに奇跡。

 まぁ、裏で教師が面白いから今年もこいつら同じクラスにしよう。という理由で同じクラスなのかもしれないけどね。


「全国政府なんてほとんど謎に包まれてるからね……知りたくなるんだと思うよ」


「視聴率取りたいだけだろ?」

「オブラートに包もう?」


 全国政府、正式名称『全国統一政府』。

 数年前、世界には『全国統一政府』という、簡単に言うと字面の通り全国の意見を纏める政府が出来た。これには戦時中の国でも参加を義務付けられる。


 内部構成などは極秘情報で、明かされている情報は全国の首相が招集され、社会問題などの取り組みを討論する場所。という事のみ。まぁ、世界の政府の内部構成がそう簡単に明かされてもね……


 最近、世界共通で起こった有名な出来事といえばこんな所。

 他だと、人間の記憶をロボットにコピーさせる事などが成功したが、近々出来る事だろうと予測されていた事だし、あまり使い道も無いため皆が皆知っているというほど有名にはならなかった。あと1,2百年早かったら億万長者級だったそう。

 その研究を元に全国政府がなにかしてるとか言う噂話もあるんだけど、大体の人は「そんな価値のないものを全国政府が研究するか」という考えが大半だから、信じているのはごく一部。本当に噂話という感じ。



「はぁ……炭酸買ってきて」

「人頼みなのね!」


 皮肉ったらしく喋ると、改めて丁寧語で頼まれた。

 それと同時に、もう一人のシェアハウス仲間が目をこすりながら階段から降りてきた。


「うぅ……眠い……」


 名前は月城(つきしろ)アオイ。ご覧の通り、朝に弱い。

 朝に弱い。と言っても、時刻は11時なんだけどね。


 アオイに買い物に行くことを伝えると、アオイも買い物に行きたいらしいので、身支度が終わるまで少し待ってからスーパーへ行った。












 ――――「嗚呼、なんて惨め」

「私があなたを殺してあげる。そっちのほうがよっぽど良いわ!」

「え?理由?うーん、何でしょう……」

「待って!!大丈夫?!」

「私、あなたの事、永遠に忘れないわ……!」

 クスリと不敵な笑みを浮かべる少女。


 その時私は思いもしなかった。

 この行動が、私の人生を全て変えてしまうなんて、思いもしていなかった。

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