ダンジョン周回!!
地上に着いた
その間、栞は冒険者になった経緯等を話してくれた。
彼女は世界が変わった日、魔族になった。
それに伴って身体の様々な部分に変化が生じてきた。客観的に見てそれが顕著に見られたのが、髪の色である。
それはほかの種族にも言えることで種族によって変化が一番見られる場所が髪の色なのだ。
しかし髪の色が変わったことだけだったら問題はなかったそうだ。
あの事件がきっかけで魔族を見る世間の目は厳しくなった。
髪だけで種族をおおよそ種族を判断できることがそれをさらに加速させた。
そのことに加えて人間と比べて魔族は基礎ステータスが高いため様々な人に恐怖の目でも見られてしまう。
栞はもともと頭も良い方ではなかったそうなので、基礎ステータスが高い魔族の能力を使って冒険者をやり始めたそうだ。
まだ外は暗い。
「あなたはどうやって帰るのでしょうか」
「このダンジョン私の家の近くなんですよ~」
「結月さんこそどうやって帰るんですか?」
「私は始発の電車が来るまで周回しようと思います」
「えっ、随分とストイックですね。休みなく周回なんてよくそんなことできますね~」
ちょっと引かれた気がするのは気のせいだろう。
確かに普通の冒険者は一回ダンジョンに入るとそれなりの休憩時間をとってからもう一度入るでしょう。
しかし私はセカイ1の冒険者を目指しているのです、効率を上げていかないと追いつけません。そして何よりダンジョンでレベルを上げることが楽しいのです!
「そういえば連絡先交換しませんか、こんなところで出会えたのも何かの縁ですし」
「もちろんです!何よりあなたにはお礼をしないとだからね」
「まぁお礼は大丈夫ですけどね..」
そんなわけで今日は栞と別れることにした。
「さて、私もダンジョン周回を始めましょうか」
少し水を飲んだ後またダンジョンンに潜り始めた。
ザシュッ
『レベルアップしました』
『レベルアップしました』
『レベルアップしました』
『レベルアップしました』
『レベルアップしました』
.....
さて、何周ダンジョンを周回しただろうか、もう朝日が昇り始めていた。
やっぱり朝日は気持ちいいですね~
吸血鬼とはいえ元人間ですからね~
日向ぼっこでもs......
「熱っっ!」
いやこの流れつい先日やった気がするんですがねーー!
日陰に戻り回復する。
日光に対するスキルでもあればいいのですが...そんなスキル聞いたことありませんね。とりあえずあるかだけ確認してみますか。
現在獲得可能なスキルーーーーーー
アイテムボックス 15 SP
霧化 20 SP
日照耐性 10 SP
etc
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いや、あるのですね...
今はスキルポイントに余裕があるから獲得しましょうか。
ちなみにこういうステータスの操作は脳内で感覚的にできる。不思議なものですね。
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赤井 結月 レベル 92
種族: 吸血鬼 SP: 7
HP: 460/460 MP: 318/318
攻撃力: 193
防御力: 68
速 さ: 418
幸 運: 115
スキル: 剣術LV1・初級魔法LV3・吸血LV1・ドレインLV1・槍術LV1・日照耐性LV1
称 号: 始祖の吸血鬼・最速のハンター
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日照耐性LV1
・日光による効果を少し抑える。
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説明が短いと感じたが、直感的に理解できた。
これで日光に当たっても少しはマシに..
「熱っ!」
まだ日光の下を歩くことは難しそうですね。
しかし、少し痛みが軽減されたような...気がしなくも...ないですね...?
このスキルの恩恵はあまり感じることが出来なかったが、まだレベル不足なのかもしれないので、納得することにした。
そろそろ帰りたいところだが、帰るついでに魔石の買取に行きたいので8時くらいまではダンジョン周回しましょう。
現在時刻は5時過ぎ、あと三時間くらいできますね。
そう考えまた私はダンジョンに潜り始めた。
『レベルアップしました』
『レベルアップしました』
『レベルアップしました』
.....
現在時刻は8時過ぎ、このへんで切り上げますか
今日はたくさん周回できましたね~
荷物をまとめて帰ろうとしたが、一つ問題があった。
「槍がでかいですね」
2m以上ある槍は持ち運ぶときにすごく邪魔である。
「なんとか小さくなってくれませんかね~」
無理かなと思っていた時は槍は唐突に形状を変化し始めた。
「!!」
形状の変化が終わると、約20cmくらいのミニチュアの槍のように変化していた。
私と戦闘したときに分身してたりしていたので、可能性はあるのかなと思っていたのだ。
しかし、本当に出来るとは思わなかった。
もしかすると、魔法も打つことができるかもしれませんね。
色々なことを期待できそうですね。
それでは、日に当たらないように駅までダッシュッ!
冒険者ギルドに着く。
今日は通常通り開いている。
中に入って、買取しようとして受付にいくと担当してくれた人が佐藤さんだった。
佐藤さんは私の研修をしてくれた人で、それで結構仲良くなることができた。
「魔石の買取お願いします」
「おっ、久しぶり~結月ちゃん」
「いや三日前ぶりですね」
「で、買取はこれかな?って多すぎじゃない!?」
「三日分のが溜まっていましたから」
「それでも多すぎだよ~、少しはセーブしようね~」
それも一理あるなと思いながら買い取った分の金額を受け取ると、昨日から気になっていたことを聞いた。
「昨日臨時休業するほど、何かがあったのですか?」
「えっ、知らないの?あんなにニュースになってたんだけどな~」
「私テレビ家にないので...」
「ん~、一昨日地震があったことは知ってる?」
「はい」
「そう、それが普通の地震だったらそんなこと起きないんだけどね~、その影響で震源付近のダンジョンが崩れちゃったんだよ。それで冒険者統括委員会は対応に追われててその仕事が震源に近いこの支部に多く来ちゃったんだよね~」
「行方不明になった冒険者も多いから大変なんだよ~」
マジすか、私が遭遇したダンジョンが崩れる現象は他の場所でも起きていたのですね。
私は佐藤さんに自分もそれに巻き込まれたと言おうと思ったが、言いとどまった。
もし私がそのことを言ってしまうとどうやって出たかの経緯も言わなければならないかもしれないので吸血鬼についてもバレる可能性が高いからだ。
現状まだ強くない私は、もし誰かに狙われたら対処できないだろう。
「では、佐藤さんも仕事頑張ってください」
一言そういうと私は冒険者ギルドから出ていった。
「ふぁぁ~、眠くなってきましたね~」
家に着くと風呂にも入らずに寝てしまった。
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