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吸血鬼、帰還

6/9 19:00 ステータスの値を修正しました

 ー地上


 約一日ぶりの地上。


 横を見ると太陽が昇り始めている。


 四月とは思えない太陽光線が私に降り注ぐ。


 まるで、それが私の体を溶かしているような...




「って、熱っ!、痛っ!」


 私の体は、比喩的な意味ではなく本当に体を溶かし始めている。


 すぐさま日陰まで移動した。

 すると、先程まで溶けかかっていた体がみるみると元通りになっていく。


 さすが吸血鬼ですね、この回復能力は尋常じゃないです。

 スキルだけでなく種族による影響も受けるのですね。


 ダンジョンの入り口はそれはもう豪快に崩れていた。

 そしてダンジョン管理事務所にはいるはずの管理人がいなくなっている。


 まぁ、ダンジョンから出てくるところを見られたら面倒くさそうですし、ラッキーですね。


 私はダンジョン管理事務所にあるロッカーから、荷物をとりだし水を飲んだ。



「プハー、吸血鬼になったとはいえ水は美味しいですね!」


 水を飲み終えると、おもむろにスマホを見る。



「震度6弱の地震?」


 通知欄をみるとそこには地震があったことを知らせる文章が書かれている。


 ちょうどダンジョンが崩れた時間と同じくらいですね。


 もうあの、疑似ダンジョン崩壊は地震が原因だと言っていいだろう。

 その下には、母からのメッセージが書かれている。


 ーーーーーー

 母『地震大丈夫?』


 母『おーい』


 母『〈着信〉』


 母『気づいたら連絡してね~』

 ーーーーーー



 いつもなら 過保護ですね~ と思うところだが、今回ばかりは本当に大丈夫ではなかったので、ありがたい と思いつつこう返信した。


 ーーーーーー

 母『気づいたら連絡してね~』


 結月『大丈夫、そんな電話までかけなくていいから』

 ーーーーーー


 やっぱり親には素直になれないですね。

 少しぶっきらぼうな言葉をかけてしまいました。




 荷物を整理して帰ろうとしたが難点がひとつある。


「日光が怖い」


 本能が日光には当たるなと言っている。

 しかし、駅まで行くには少なからず日向ひなたを通らなければならないので、ここは覚悟を決めて、


「全力ダッシュです!」


 ステータスで強化された足で華麗に街を駆け抜ける。


 散歩をしている老人が目を見開いている横を駆ける


 途中休んで呼吸を整えつつも、僅か数分で駅にたどり着くことができた。



「足がとても速くなってますよね」


 ダンジョンでボスと戦っている時から薄々気づいていたが、今回走ったことで確信した。



 ***************************************


 赤井あかい 結月ゆづき レベル 66

 種族: 吸血鬼 SP: 1

 HP: 330/330 MP: 228/228

 攻撃力: 126

 防御力: 54

 速 さ: 249

 幸 運: 90

 スキル: 剣術LV1・初級魔法LV3・吸血LV1

 称 号: 始祖の吸血鬼


 ***************************************



 ステータスをもう一度見直すと、そこには想像以上に変わった基礎ステータス値が書かれていた。


 速さ 238...前の倍以上になっていますね。それにMPも倍以上増えてますね。 しかし、防御力とHPが半分くらいに減った気がします。


「これも吸血鬼の特性というわけですか」


 かなりステータスが偏ってますが魔法好きの私には結構合っている気がします!


 そんなことを考えながら、電車に乗った。






 自宅の最寄り駅に着いた私は真っ先に家に帰.....らずに冒険者統括委員会支部、通称冒険者ギルドに向かった。


 魔石の買取のためだ。


 が、


 開かない自動ドアにこのような張り紙が貼ってあった。


 ーーーーー

 誠に勝手ながら、本日

 臨 時 休 業

 とさせていただきます。


 ご不便かけて申し訳ありませんが、

 買取は後日から受け承ります。

 ーーーーー


 奥には、慌ただしく動くギルド職員がいる。


「なにかあったのでしょうか?先日の地震の影響ですかね?」


 そして、もう一つの事実に気が付く。


「そもそも買取時間が9時からでしたね、そういえば今は7時でした」


 自分のミスならしょうがないですね~と考え、仕方がないので家に帰ることにした。








「ただいま~」


 誰もいない家に挨拶をして、私は膝から崩れ落ちた。そして、そのまま落ちるように眠りについた。


「zzz...」


 約一日間ダンジョンにいて、ゴブリンを狩り続け、脱出をもくろんでいたのだからその疲労は計り知れない。










 夢を見た


 あれは中学三年生、今から3年くらい前の記憶



 神が来た


 誰もがそう感じたであろう

 そして、神は言った


『我が子供達チルドレンに力を与える』


『その力を持つて、いずれきたる災厄に備えよ』


 と、



 神がそう言った瞬間、世界の法則が変わった


 しかし、私は何も持たなかった


 私はこのファンタジーと化した世界で主人公になる可能性も持てないことを悲しんだ


 否、初めから分かっていた


 しかし、種族が変わった友達、ステータス値やスキルに一喜一憂する者


 私の眼にはみんなが輝いて映った

画面下の「☆☆☆☆☆」から評価をお願いします!m(._.)m

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