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シリカ

システィーナがが再び剣を構え直すと、ノアもそれに続きます。


「ノアもセリカも、あなた達は下がっていなさい。 ここは私がなんとかします」


 システィーナは、そう言いますが、今の彼女に正常な判断は難しいように思えました。

 


「女神様はどうして止めようとしないどころか、戦いを煽るのですか?」


 自体を変えられる人物――ノエルと、交渉することで解決を図ろうとします。


 彼女がここに至って、動きを見せない理由を問いたださなければなりません。



「女神・エリスさまは崇高なる考えをお持ちだ。 その心中は私のような一兵卒ではは借りれない」


「では、あの剣から発せられる声も、あなたがこの場で助けてくれないのも、すべてはエリス様の指示なのですか?」



「ああ、そういうことになるな、貴様がどうやって、剣の秘密に気づいたかは知らないが、女神エリス様から頂く武器には、女神様の意思がやどっている。


 その一部の武器は 装備すれば、通常の武器とは比較にならない力を発揮できるようになるし、女神エリス様の、意思を直接聞くことができるようになるのだ。


 まあ、もっとも、このことはある程度くらいの高い騎士に知らされていない情報だがね。



 女神様は、システィーナの実力が見たいと言っている。 だから私はここを動かない。

それが何か問題があるかね? 貴様も女神エリス様に選ばれた、戦士なら光栄にさえ思えることだと思うが?」



 私は絶句しました。 この方がどう思っていたとしても、

それは私には関係ない事なきがします。


 しかし、女神様が、この状況においてなおも、システィーナに戦闘をしいている事と、ノエルに助力させないこと自体が女神エリスの意思であるのなら、私は指をくわえてみてるわけにはいかなくなりました。



 見過ごせません、しかし、だからといって私ごときに何ができるというのでしょう?


私も剣の腕は未熟なノアと大差がないのです。


『私の力を使って』


ああ、聞こえました。もう一人の私の声です。


 二度と聞きたくない声でした。 なぜ、今と思わなくもないですが、私は前回切り替わった時に感じていたのです。 圧倒的な魔力を――


 わかりました。ここは貴女に譲ります! この状況打破してください。


バシィという辺りを響き渡る効果音、と同時にバリバリとそこら中を鳴動する魔力の放流――


――最も近くにいたノエルが驚いた形相でこちらを見ています。無理もありません。

私の魔力量は今や、この場の誰よりも上です。


 この場を支配しているという高揚感に、意思を任せます。


言うまでもなくこの力はコントロールがききません。


 もう一人の私の意思によってコントロールされる力なのです。


 もう一人の私は恐らく魔族だと思われます。 これは純粋に彼女の力だけではないでしょう? 恐らく私が普段は無意識化に封じ込めている力が、彼女が使うことで発動可能になるといった感じでしょうか?


 今わかっているのはそのぐらいですが、重要なのはそこではありません。


 目の前に尻餅をついてすくみあがっているノエルがいます。


『まず彼女をいただこうかな?』


 もう一人の私は彼女の魂を狙っています。 もう一人の私が協力にノアに惹かれるのは、その魂のあり方が、彼女の好物だからだといってもいいでしょう?

 では私はノアのことをどう思っているのか? それはよくわかりません。


 ですが重要なのはこのままではノエルさんは、喰われてしまうということでした。


 広場一帯を圧倒する力に私は自信も飲まれてしまい、止めることは叶いませんでした。

そのまま、ツカツカとノエルさんに近づき、首筋を指でなぞると、彼女は「ヒィー」と悲鳴を上げました。


『じゃあ、いただきますー』


のんきに言いつつ、彼女はノエルさんの首筋にかみつきました。


そこから、ドクドクと吸血マインドドレインを始めます。


『女の人はそんなにおいしくないのよね、私ってさ、サキュバスだから、まあ、この際は贅沢言ってられないわ』


「ひぃー、やめれ、吸わないで――、 死んじゃう、死んじゃうよー」


 ノエルさんが大の大人とは思えない声で泣きわめきます。 失禁とかしていそうですが、確認する勇気はありませんでした。


 次第に魂が抜けていくノエルさん、ダメですこのままでは死んでしまいます。

ですが、頭を満たす快楽はこれまでに感じたことのないもので、圧倒的とさえ言えました。


『さすが天使ね。 味はまあまあだわ』


「そこまでです、おやめなさい――!」



 この異常な状況の中そう言い放ったのはのはシスティーナ、悲しそうにこちらに睨み付けて、剣を向けています。

 まるで、悪い子を叱る母親のような仕草だと思いました。


『あら、お母さん、は私を虐めるんだ?

 そう言うのドメスティックなんとかと都会では言うとか聞いたよ?』


「戯れ言はそこまでになさい。今すぐセリカ柄出て行きなさい!」



『どうしようかなあ? 食事の邪魔されて、シリカご機嫌斜めなんですけどー!

 

 久しぶりにお母さんの血(魂)がほしいなあ?』


「残念ながら今は非常事態です。速やかに出て行かないのであれば、追い出すだけです!」



『強気だねー、いいの今の私めちゃくちゃ強いよ!? 絶好調ってヤツ?』



 そう言うと、シリカこと、私はヘロヘロになって、魂が抜けて真っ白(半死状態)となった、ノエルさんを捨てて、システィーナへと飛びかかりました。



『やめて――! お母さんには手を出さないで!』



 瞬間私の意思が猛烈に反発して、シリカの動きが止まります。



『ちぇ、セリカ邪魔しないでよねー。これじゃあ、食べられないじゃん。


 あーあー、面倒くさい状況だなあ。私こういうの苦手なんですけどー』


「じゃあ、俺の相手をするってのはどうだい。 お嬢ちゃん」



 カイルが割り込んできます。 しかし、彼を前にしても、私の心には全くの恐怖心を感じませんでした。



 彼を目の前にして感じる感情は、男だとか、なかなかおいしそう? だとか、私より弱いとか、同族、システィーナをいじめた悪いやつだ。


 等と、馬鹿にしたような内容が頭をよぎります。


『いいよ、おじちゃんが次のおやつね――!?』


ゲームが落ち着いて、少し、時間がとれるようになってきました。

勢いで、一区切りつくところまで書き終わりました。

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