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天使と悪魔

 三人で出発してからしばらくの時間がたった。

 すでに戦場は戦を開始してから、それなりの経過を経ているらしく、生きている兵に出くわすことはない。


 眼前に広がるのは、煤と燃えかすが焼き焦げる。文字通り、火葬場だった。

地面に広がるのは死体とおぼしき塊が多数――なるべく見ないように心がけながら、なんとか、精神を平静に保つ。


 システィーナが、鎮魂を捧げているので、それに従うように、手を合わせて、お祈りした。祈るのは、鎮魂ではなく。 己の冷静さと、誰一人欠けることなく、帰ってこられます様にという願いだった。


 しばしの間、そうすることで、冷静さを取り戻した。



 戦局は一方的らしく、天使が、悪魔を蹂躙しているようだった。

劣勢であればここに来るまでも、悪魔達と戦闘する事になったであろう。


 これは戦わずにすむかも? と淡い期待を、抱く中で、直ぐに、戦場の音を知覚し、それが、押しつぶされるのを感じた。


 それは文字通り、戦場だった。

戦うのは天使と悪魔。

 ことここに至るまで優勢だってであろう。

 天使達が、一体の悪魔に手を焼いている。

 蹂躙されていると言ってもいい。


 死屍累々――

死体の山ができていた。 ほぼ全てが折り重なる様に天使達だ。

 その山の上に一人の悪魔が立っていた。


「くぅ、手を緩めるな。 持ちこたえろー!」


 檄を飛ばすのは、天使隊の指揮官――

 

 確かノエルとか言ったかな? 詳しくはわからないけど、それなりに偉い人のはずである。

 先程召喚に応じた際に、点呼していた一体の一人だった。


 ノエルが見つめる先にいる

のは、一体の悪魔――姿形は見覚えのないものだったが彼のことは知っていた。

 その悪魔はカイルに間違いがなかった。


 天使達の返り血に濡れた。 その姿は、満身創痍に見えなくもない。

だが、彼の闘気は、以前見たときより、精機に満ちあふれ、疲れなど感じさせる物ではなかった。


「次だ、次にやられたいのはどいつだー! まとめてかかってこいー!」



カイルが吠える。 彼は真の姿を解放したことで、自信がみなぎり、近くによるだけでも、バチバチと闘気を感じさせた。


 その発露はかくも言う。 天使ごときでは相手にならないと――

彼が動くたびに、数人の天使は屠られていき。 その命を無残に散らしていった。


 だが、ノエル自信は動く気配がない。 救援を待っているのか?

 ただただ、持ちこたえるのに専念している。

 自信は戦わずに部下を、少数ずつ散らしている。


 散っていく天使達を見ながら思う。


 女神エリスの真の戦力はおそらくこんな物ではないだろう?

 それを知っているからこそ、救援を請いあえて戦おうとしないのだ。


 ただ、相手の疲労が蓄積されるのを待ちつつ。

 本命の舞台の到着を待っているのだった。


だけども、私は知っています。 大規模な救援なんてこないと言うことを……

あのノエルという指揮官の戦闘力は不明ですが、自分なんとかできるなら、部下が言いように、蹂躙されているのを、ただ見ているだけと言うことはないでしょう。


 つまり彼女では勝てない。 カイルという男は、最初こそシスティーナに圧倒されたものの、本性を現した今は、実力が先程の比ではないように感じられました。


「ここで見殺しにはできませんね」


 そういうシスティーナは、推し量る様に、カイルの方を見定めています。

 はたして彼女のかなう相手なのでしょうか?

 システィーナのことは信頼していますが、相手が魔族となると心配せずにいられませんでした。

魔族――天使とは対にになる、高次元の生命体。 魔法にたけたものが多く、近接戦闘も人間の比ではないと、童話などには記されています。

 もちろん見るのも初めてで、カイルの強さがどの程度の物か、私には推し量ることはできません。


「戦ってみればわかることです」


 そうシスティーナはいい放った。

彼女は自信の剣技を信じているのでしょう。確かに先程のシスティーナを倒せる物はそう多くはないように思えます。


「フン、人間ごときが―― 先程は後れをとったが、魔族化した俺をそう簡単に倒せるとは思わないことだな! 返り討ちにしてやる」


 先程、負けた相手とは思えない強気な発言は彼の強さを証明する物でしょう?

 一抹の不安を覚えた。私にシスティーナはギュッと抱きしめて、いいました。


「大丈夫です、私は負けません

 見ていてください! セリカ」


「ククク、その自信叩き潰してやろう!」


だけど、私はわかるのです。 この相手にはシスティーナは勝てない。

 纏う圧倒的な魔力量を前にシスティーナでは、防衛線を強いられることになるでしょう?

 だけど、瞬時に勝負がつくということはないでしょう。

 ただ、こちらの持ち札、天使の方々と、手を結べば勝利は確定します。


「では、お手並み拝見と行こうか!」

先週疲れて、休んでしまいました。 ごめんなさい。元々さぼり癖があるのでこういうこともあるかもです。下手くそながら絵も描くのが趣味ではありますが、そっちも最近はサボっています。

土曜投下なので無理に遅くしなくてもいいのかなあと言うことで今回は12時アップです。

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