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血の契約

このままではカルラを殺してしまいます。

 どうすればいいのでしょう!?


『私がママを封印するよ。 完全に助けるのは無理だけど、殺すよりはましなはずだよね。

 あの駄女神に一矢報いてやらなくちゃ!』



 脳内から声が聞こえます、


 話しかけてきたのは、もう一人の私――シリカでした。


『私なら、サキュバスの娘としての力を制御できる。 エリスに気づかれないように、最後の一撃に細工ををする。 それでママを助けるの。 いい、最後のタイミングが来たら教えるから、エリスの注意を引いて、アイツあれで、アンタのことは本当の娘だと思ってるから、うまくやれば気を引けるはず。


 あとは、私が一瞬だけ、賢者力を乗っ取って、ママ二手出しできないようにする。


『わかったわ、私にできるかどうかわからないけど、やってみる』


 打ち合わせをしている間に、カルラの時限強化が限界を迎えたらしく、目に見えて動きが鈍くなっていました。


 対する私の動きは勢いを増す一方で、勝負の趨勢は目に見えていました。

 女神エリスが満足気に微笑んでいる。



「もうやめてください。 エリス様、カルラさんを逃がしてあげてください。

 これ以上戦ったら、私は本当のお母さんを殺してしまう」


 

「あら、セリカ、無理な相談ね。 コイツは私のユリウスを奪ったあげく、私とユリウスとの間にできるはずだった、娘まで横取りしたのよ。

 許せるはずがないじゃない。殺すわ!」



「子供がほしいなら私が、貴女の娘になります。 だから、カルラだけは逃がしてあげて」



「ウフフ、私の娘がサキュバスとの混ざり物だという事実を受けいろれろって言うの?

 貴女は私の忠実な下僕ではあるけど、女神の血縁者ではないわ。

 そうね、どうしてもといのなら、血の契約を結びましょう?

 そうすれば、母親だけは助けてあげるわ」


 そういって、エリス様は杯のを取り出しました。

 黄金に輝く、杯そこへ自ら、の手首を切り、血を満たします。


「この杯は特別製――まあ、聖杯と言ったところかしら、そこに女神の血を注いだ物よ」


 この聖杯ホーリーグラスを飲み干しなさい。

 ただ私の血を飲んだだけではもちろん何の意味もないけど、これは血の契約、聖杯を通して、聖なる血を飲み干せば、私との血の契約は完了します。


 後に残るのは真の天使セリカよ。サキュバスとしてのシリカではなくね。

 血分けた、娘として、永遠に愛してあげましょう。

 さあ、聖杯を受け取りなさい。 一気に飲み干すのです。


 そう言って、黄金に輝く満たされた杯をわたされました。


『それを飲み干したら、私が私ではなくなってしまうよ。でもセリカとママが無事なら、しかたないね……』


 いつものような無邪気さはシリカにはありませんでした。

この杯を飲み干せば恐らく彼女は消えてしまうか、別の何かになってしまうのでしょう。

 魔に属するシリカを滅する、浄化の炎、まさしくアーティファクト・ホーリーグラスといえる物でした。



 本当にこれでいいの? 疑問が頭をよぎります。エリス様の血縁者になること自体はさして抵抗はありませんでした。 ただ、シリカが消えてしまうのは、あまりにはかわいそうではないでしょうか?


「飲めないなら、既に弱っているカルラを、私自らの手でとどめを刺します。

 しばらくの猶予をあげましょう、存分に悩みなさい。我が娘よ。 ウフフ」



 私は思いきってグラスを飲み干しました。悩んでいてもどうにもならない問題もあるのです。 私にはエリス様の支配を逃れて、反抗することはできませんでした。


 長年エリス教徒として、使えていたからだけではなく、エリス様の声には言いようのない 強制力を感じてしまうのです。


 恐らくラグナロクにエリス様が事前に細工をしておいたのでしょう。 しかし、この聖剣がなければ、エリス様に勝つこと等到底不可能でした。


 賢者の力はラグナロクなくしては使えないのです。


 予めこうなることを予測していたのか、準備の良いエリス様に、畏怖さえ感じてしまうのでした。


 聖杯を飲み干した私に訪れた、変化はまず体が強烈に熱くなっていくのです。

 サキュバスの娘としての変化ではなく、その逆、強烈に身体が変わる感覚、私が女神の血族として目覚めようとしているのでした。


 同時にシリカの悲鳴が聞こえます。 痛い痛い痛い、助けてママ――、ママ――!


最近ゲームがまた楽しくなってしまいました。 まあ、それとは別の理由でなかなか続きが書けなくなっているのですが……

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