隠された力
女神様が最大出力で放つーーホーリーライトに、カルラは流石に、耐える事が叶わず光の放流に飲み込まれたかに思われました。
しかしーー
「くっ、流石にやるわね。 だけどその瞬間を待っていたのよーー!
クラス・リリスーー最大開放ーー! 何も、アンタからの血を啜ったからだけが、力の理由じゃないってところを見せてやるわ!
ラーニングしてきたのは、数多くの魔族の力よ!
それが私の力を何倍にも引き上げる。
時限式の強化能力ーー!
スカーレット・クイーンズ・リリスーー!(リリスに連なる・女王達・時限解放)
それは数々のカルラのラーニングした能力の集合体、一時的なドーピングによる。
解放能力によるステータスの底上げ、時限強化なのでした。
恐らく私がサキュバスとしての能力に目覚めた際に一時的に身体能力が増大するのの上位版だと言えます。
女神様が放つホーリーライトを、増幅した能力で、はじき返します。
「そんな、わたくし、のホーリーライト最大出力が―― そんなチート能力聞いてないわ!?」
「わからないだろう、アンタのような剣も握ったことのないような女神に、私が積み重ねてきた物が!?」
「それでも、総合戦闘能力まだ私が上よ。 負ける物ですか――!」
「残念だね。戦いって言うのは神だから勝てるって物じゃないのよ。
今の私はアンタと拮抗している。 この意味がわかるわね」
戦い慣れしているカルラに対して、生まれつきのステータスが売りのエリス。
戦いが長引くほど、カルラの逆転の可能性を導き出させるのでしょう。
『ウフフフ、わたしくに勝った? 貴女本当にそう思っているの?』
しかし、ここで、エリスの余裕な態度――カルラ怪訝に眉をしかめます。
『この場で一番強いのが誰か、まだ別っていないようね。
行きなさい、セリカ、わたくしのかわいい娘よ!
その瞬間、再びあがらえない、感覚に私は支配されます。
サキュバスの娘としての能力、女神の最大限の加護、そして、賢者ユリウス力。
この三つを兼ね備えるのは一体誰だったかしら?
行きなさいセリカ、その泥棒猫にわからせてお上げなさい!
この場で一番強いのが誰かを――!』
セブンスクラウンズ・クイーンズタレント!(七色の冠にをいただく尊き才能)
その力が発動した瞬間、私の中に眠る。 強大な力が目覚めます。
その一つ一つが私の能力を増幅させ、限界を超えるパワーップを可能にしているようでした。
流石の、カルラも、その圧倒的な、存在感に震えます。
『ウフフ、さあ、我が愛しい娘、セリカよ、やっておしまいなさい!』
言うが早いか私の体は一瞬で音速を超え、カルラへと斬りかかります。
応戦するカルラは、しかし、時限強化でなんとか私に対抗しますが、苦戦を強いられているようでした。
閃光のような早さで斬りかかる私の速度は尋常ではありません。
時限強化中のカルラも相当なレベルなのですが、
女神様と、賢者、サキュバス三つの因子をもつ私の能力は常識を遙かに超えているようでした。
戦いにすらならない勝負、それが私とカルラの間にある大きな壁でした。
ですが、私は戦いたくはないのです。 だって、だって――
「もうやめて、エリス様、この人は私のお母さんなんでしょ? ねえ、お母さんも、エリス様ももうやめて! このままじゃ、私本当のお母さんを殺しちゃう
私戦いたくなんてないのに、体が勝手に動く――」
「くっ、駄女神、娘を止めなさい!」
『いいえ、やめません、わたくしから、賢者ユリウスを奪った泥棒猫にはここで死んでいただきます。 本当の娘の手で―― おとなしく観念なさい!
ええ、セリカは私の娘として、再教育(洗脳)させていただきますから、おとなしくあの世へお行き――!』
交渉を試みましたが、エリス様を止めるのは不可能なようでした。
カルラ――言え、お母さんをこのまま殺すわけにはいきません。しかし、私に何ができるというのでしょう?
必死にあがらう意思に反して体は全く言うことを聞きません。
猛攻をカルラに対して浴びせ続けます。
このままではカルラを殺してしまいます。
どうすればいいのでしょう!?
題名と後書きに、そこそこ迷ってしまう今日この頃、ちょっと立て込んでいて更新が遅れました。




