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39 ◇言葉がでないですかぁ?◇

久しぶりすぎて、私の方が言葉がなかなか出てきません。


教室で何度も見ていた、日奈子の他所行きの笑顔。


仲良くなってから教えてもらったが、本当は人見知りな日奈子。

親の仕事の都合で様々な人に会う機会が多い中、ゲームのヒロインのようになりたいという気持ちから生まれた処世術だと・・・


太陽のような笑み少しだけ高くした声、そのどれも本当の日菜子の笑顔を知っている私から見たら作り物めいていて拒絶された気持ちになった。


「神様もひどいなぁ、私の次がこんな美少女なんて・・・全くもう・・・

 で、あなたの名前は何ていうの?」


そんな私の心情など知る由もない日奈子は他所行きの笑顔で首をコテンと倒してあざとい仕草で私の心を揺さぶる。


「あっ、なん、て・・・」


「ん?」


出てこない言葉。

なんて言えばいいの?

『愛李』と言って信じてもらえるのか?いや、きっと「友達と同じ名前」とか言われそう・・・どうしよう。


「おばあさま、感動の再会のところ申し訳ございませんが他にも待っている人がサロンで首を長くしています。

目覚めたばかりでありますし・・・」


「あらっ、ダメよ。だって私には時間がないのよ?って、そうよ、体調!!!今すごくいいのよ。ウィルフレッド!」


誰もが動けない中、ただ一人ウィルフレッド様だけが日奈子に近づき冷静に声をかけた。


「ああ、そうですね。お母様、一先ずは落ち着いて話しましょう。お母様の知りたいことは、そこで全部お話ししますわ。

時間は大丈夫です。心配いりません。大丈夫だから、ねっ。」


そう言って、日奈子に話しながらこちらにも微笑みかけてくださる女王様。

『時間は大丈夫』その言葉は、私にも安堵を与えた。


「えっ、でも・・・」

「よし、そうなら行くぞ!」


そして、私の目の前で戸惑っている日菜子をオーフェン様がいきなりお姫様抱っこで素早く抱えて行ってしまった。


「・・・アイリ」


そうして声をかけられるとともに肩に暖かさが乗る。

振り向くとアシュトンさんたちが複雑な顔でそばにいた。


「大丈夫よ。私たちにしたように話してごらん。」


そう言って微笑むフィオナさん


「まぁ、俺らの時よりも聖女様ならすんなり信じるとおもいぞ。ほら、フィオナん時を思えば楽だろ?」


「ちょっと、何よ!」


ヒューバードさんとフィオナさんの言葉にポカンとしていると、アシュトンさんとジェフさんから再度、肩と頭にポンポンと暖かさと重さと微笑みを向けられた。


「・・・・・・ありがとう、ございます・・」


日奈子に初対面対応された事はショックではあったけど、そうよ仕方がない。

だって、見た目がこんなに違うんだもの。

日奈子が羨ましがるほどの麗しい容姿らしい。愛李とは違いすぎる姿。

でも、きっと・・・わかってくれるよね。


この世界に来てからできた、大切な仲間の励ましを受けて日奈子にもう一度自己紹介から始めようと勇気が出たのだった。






できるだけ頑張って進めていきますね。

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