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ずっと、ずっと

作者: 幻中 飽那

こんにちは飽那です。まだまだ拙い文章かとも思いますが、読んでいただけると幸いです。

とっても短いです。

私には、好きな人がいる。名前は、三谷野 爽(みやの そう)君。

暖かくて、優しい、みんなの人気者。

容姿端麗、眉目秀麗。いわゆる、カンペキ人間。


私は、そんな爽君のことが、好き。

きっかけは、いつだっただろう。

多分、ケガをしたときに助けてくれた、あの夏の運動会。

その時に、私はシュワシュワして、甘酸っぱい、恋をしたんだ。



毎日、爽君を探して、観察する。まるでストーカーだけど、恋する乙女はそう見られる事なんて気にしない。

そう思えるほど、好き。



いつものように観察してるとき、気が付いた。爽君がとある女の子を見ているのを。

爽君、あの子のことが好きなのかなぁ。

そう思うと、悲しくなってくる。私の恋は報われないのかな、って。



私は、爽君がその子と付き合う前に、無理でもいいから、この気持ちを伝えようと思った。



とある日、私は彼を呼び出した。爽君に、告白する。

答えはもちろん、ごめんなさい。

理由は、勉強に忙しいから、らしい。

でも、たぶん違う。爽君はあの子のことが好きだからなんだ。

そこをみんなのことを傷つけないように、勉強に忙しいという誰でも納得できて、傷つきにくい返答をしてくれる。



わかってた。告白を断られることくらい、わかってたのに。

そうわかってて告白しても、私はやっぱり悲しかった。



それからは、爽君を見るたび悲しくなったり、でもやっぱり、って思ったりして。もういっそ、嫌いになれればいいのに。そうも思ったりもした。



心の中の、ぐちゃぐちゃした黒い気持ちが、私のことを侵していく。



爽君は、私を見るたび優しく手を振ってくれたり、ごめんねってまた謝ってくれたり。きっと優しいからそう言ってくれるのだろうけど、私には辛かった。また優しくされるたび、振ったくせにと、ざわざわと心が蠢く。



いっそ私のこと嫌いになってよ。私になんか、構わないでよ。

嫌いになってもいいから、爽君を嫌いにならせてよ。

そしたら、諦められるから。もう嫌にならないから。



だから、お願いだよ。私になんか、話しかけないで。



そう本人に言えるはずもなく、私はまだ黒い心のまま、日々を過ごしている。



ある日の学校の帰り道。私は、ひとりで泣いている爽君を見つけた。

いつも情けなくてみんなに迷惑かけてる、皆僕のことを好いてくれてるのにって、そうつぶやきながら。

そんなことないのに。


爽君はいつもいろんな人のことを思ってて、素敵なんだよ。何が爽君を追い詰めているのかわからないけど、そんな爽君の優しさみたいなものが、いいなってまた思った。



嫌いになろう、嫌いになろうとしてて、爽君のことも考えずに。好いていてくれるのに、ってことは私のような人のことに対して何か思ってるのかな、って私は推測した。

爽君は爽君で私のような人のためにしてくれてたんだなぁ。それなのに私は嫌味になっちゃって。ほんと情けないよね。



爽君が私のことを好きでなくても、私はずっと好きでいる。

きっと、それでいいんだ。



ありがとう、爽君。



私はそっと、心の中で言った。

ここまでお読みいただきありがとうございました。誤字脱字があったら教えていただけると嬉しいです。アドバイスや感想も送って下さったら幸いです。

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