第1話 日常と変異
ーもう、飲めない。
頭がおかしくなりそうだ。
「はは!もっと飲め!クラッド!」
「もう、よしてくれよ…。
お前、酔いすぎだぞ。ベール。」
「んなわけあるか!俺はまだまだ飲むぞ〜!」
…話は通じないらしい。完璧に酔っている。
そんなベールにアリシアも賛同した。
「そうだよ、クラッド!もっと飲むべきだよ!」
「いや、もう眠いわ。」
ーそれでさぁ!〜…
…えぇ!そうなんだ!
頭の中で声が反響する。
周りが真っ暗になった。
…暗闇の中で目覚めた。ここはどこだ?
何だ?光が差し込んでくる。
まるで、夜明けのようだ。
ー起きて、クラッド。
その声は俺に囁いてくる、天使のように。
これは、きっと夢なんだろう。
だが、この声に答えたい。
でも、答えられない。
ー起きた。随分と長い夢を見ていたようだ。
朝日が差し込んでくる。
起きると、そこは大樹の下だった。
どうやら、ここは森のようだ
…ここはどこだろう?
昨日、自分は何をしていたんだろう。
そして、大樹の下では俺同様、みんなが寝ていた。
…そうだ。昨日はみんなで集まってパーティーをしたんだ。
何故、この寒い冬に森でやろうと思ったのかはわからないけど。
まぁ、それは置いといて、みんなを起こすことにする。
「さむぅ〜。
まさか、あのまま寝ちゃうなんて。」
「本当だよ!寝るとは思わなかったよ!」
ーあの夢はなんだったんだろう。
「まぁ、早く帰ろう!
仕事もあるだろ!」
「そうだな!」
そうして、俺たちは村にすぐ早く帰った。
ーめんどくさいな、この仕事。
いつもの仕事だ。親はいないので一人だ。
なので、凄く手間がかかってしまう。
面倒臭くて、やめてしまいそうだが、
やめると生活できなくなってしまう。
だから、仕方なくやっている。
つい、溜息をついてしまう。
「はぁ…。
俺は農民だけど、みんなは役員かぁ…。」
…考えるのはやめよう。
どんどん悲しくなってきた。
「っし!やっと終わった!」
やっと作業が終わった。
今日は、昼飯を食べる時間さえなかった。
しかも、終わった時には、もう暗かった。
急いで家に戻る。
…無言でドアを開け、すぐに食事の支度をする。
「いただきます!」
今日は、野菜のポタージュにパン、
そして、なんと、肉料理だ。
ちょっとだけだが、しっかりと味わって食べる。
今日の夕飯はとても美味しかった。
…もう遅いので、すぐに寝ることにする。
ベッドに入り、呟く。
「..今日もきつかったなぁ。」
たが、今日はいい夢が見れそうだ。
ーもうすぐ始まるわ。
この声は、聞いたことがある。
あの、天使のような声だ。
俺に何を言っているんだ?
たが、…今回は答えられる。俺は聞く。
「あなたは誰ですか?」
ーそれは今、答えられません。
起きて、クラッド。
その声は同じことを言った。
暖かい声で、天使のような声で。
ーここはどこだ。
下を見て、俺は驚愕した。
「ーはっっ!
なんだ、これは…。」
下には、街があった。
この状況だが、すぐに理解できた。
ーここは、雲の上だと。




