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平等の力

「いいよ、気に入った。」


「えっ?」


「お姉さんの望むようにしよう!記憶までは消さないようにしておこう。それでいいでしょ?」



えっ、急にどうしたの?

いや、それでいいのだけども、なんで急に?

目を白黒させていれば、少年はにんまりと笑いながら近づいてくる。



「さて、これで満足?」


「満足って。」


「他に何か不満がある?あるなら言って?今はとっても気分がいいから聞いてあげるよ?」


「えっ?」


「久々だよ、こんなに愉快なの。まずここまでたどり着けるものはなかなかいないし、神に気に入られず、怒りをかうものだって少なくないんだよ?でも、お姉さんはとっても面白くて気に入っちゃった。ふふふ、だからお姉さんのお願いならなーんでも聞いてあげるよ?例えば元の世界に帰りたいっとか。」


「えっ!?」



今なんて?

元の世界に帰れるの??



「もちろん、なんたって、僕は神だからね!それぐらいなら叶えられるさ。どうする?」


「どうするって。」



帰りたい。

帰りたいよ。

偶然、菫に巻き込まれて異世界にやって来て、毎日毎日帰りたいと願った。

そしてリュウ様にあの世界に連れてこられてもずっとずっと思ってた。

私の願い。

それが叶うの?



「私は。」


「わたしは?」


「いい。」


「えっ?」


「いい。まだ戻らなくていい。やらなくちゃいけないことがあるから。」


「はっ?」


「何?どうしたの?」


「帰れるんだよ??今、この場で!!なのに!なのに!!いいの??戻ったって帰れる保証はないんだよ!?なのに、なのに!!」


「だって、戻ってリュウ様達助けないと。」



そうだ。

私が元の世界に戻りたいっていう気持ちを汲んでくれて今だって師匠たちは戻り方を調べてくれている。

とっても優しい人達。

私はここまで前を向いて、そしてここまで来たのはあの世界の人達ど出会ったから。

ここに来た目的は何?

リュウ様を、あの世界を救うためじゃない。

なのに、それを忘れてた私だけが元の世界に戻る?



「そんなことしたら私は一生後悔する。」


「はぁ?今戻らないよりも!?」


「ええ。それに、今、分かったもの。神様に会えば、戻れるってことがね。だから、大丈夫。」



そうよ、もしこれ以外に帰る方法がなかったのなら、死ぬ気でまたここに来てやる。

だから、今は。



「今はいい。」


「今じゃないと、もう言わないよ?」


「あら、してもらうわ。何をしてもね。」


「はっはっ。もう、本当になんなの、お姉さん。神にそんな風に言うなんて。本当に命知らずだね。」


「肝だけは鍛えられたからね。異世界にやって来てから。」



正直、怖いわよ。

平気なフリをしているだけ。

内心は怯えているよ。

でも、表面だけは繕うのよ。

強くね。

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