平等の力
私が裁く?
「それって一体?」
「お姉さんに与える力が平等って言ったでしょ?その言葉通り、神が悪だと判断するものにしか反応しない力ってことだよ。」
「へっ?」
「善ならば何も起きない、悪ならば姿かたちも残すことは無い。それがお姉さんの力。その力を与えるからお姉さんは平等に全ての者を裁くことができるんだ。いい考えでしょう?」
えっと、それってつまり神様基準で悪でなければなんの害も与えられないってこと?
それって。
「もし、もし、私の敵となった者が善だった場合、この力は。」
「なーんの意味もないものになるね。例えば刀だったら、なーんも切る事が出来ない鈍になってしまう。銃なら玉無し。」
「それって。」
「まぁ、だから今までの力とは全く違うものだね。破壊の力ではないからね。どうする?お姉さん、こんな力でもいいならあげるよ?」
ニッコリ笑う少年に、すぐに頷く事ができなかった。
だって、今までの力とは全く違うことはよく分かったから。
善のものなら何もならない。
それが例え敵でも。
「あれ?やっぱり破壊の方がいい?何でも倒せるもんね!」
「えっ、違う。」
「違うって何が?もし敵が善だった時に宝玉の力に頼って倒すこと出来ないから嫌なんだよね?」
「違う!違う!そうじゃなくて。」
「そうじゃなくて?」
「もし敵が、魔王が善だった場合、宝玉の力は頼りには出来ない。それは理解出来た。でもその場合は私が他の武器を持って倒せばいいこと。今回、以前の体力、筋力でも経験と知恵をふり絞れば勝てなかった者にも1人で勝つことが出来ることは分かったもの。例え、宝玉の力が使えなくても勝ってみせる。」
「へぇ。」
にやりと少年は笑う。
私の返答がどうやら面白かったようでニヤニヤニヤニヤと笑い続けている。
どこかバカにしたような笑いだけど、気にしない。
今回の試練?で、よーく分かったもの。
全てを出し切れば何かしら突破口はあるわ。
絶望的な勇者を助け出すことだって、できるわ。
例え、力が使えなくとも、勝ってみせる。
その意志をもつことが出来たもの。
絶対にリュウ様を、死なせたりしない。
「じゃあ、一体何を恐れているの?」
「それは、その。」
「ん?」
「悪だった場合、姿形も残らないと言ったわよね?それって、もしかして今までの存在自体もだったりしないわよね?」
「ほぅ?なんで、そう思うの?」
「なんでって。」
さっきの言い方がなにか含みをあるような言い方だったから。
何か他にもあるのじゃないかと思えたの。
菫の事からそういうのに敏感になったから。
疑い続けることは意味が無いことは師匠たちから知ったけど馬鹿みたいに最初から信じることはしない。
だからこの神様と言う少年の話も疑っている。
まだ信じるに値するとは思えないから。
神だって疑え。
菫と出会い騙されてからそう思っている。




