神様
宝玉の乙女を愛する気持ち。
どんな形でもいいから愛し、大切にする気持ちをもつこと。
「それが餌にならない条件なの?」
「うん。もし、勇者が初めの女の人を愛していなければ餌にして連れて帰ってやろうって思ってたのかもね。まぁ、残念ながら勇者は心底愛していたみたいだけど。」
「そうなんだ。」
「うん、でも、まぁ、お姉さんも宝玉欲しいんだよね?宝同石じゃなくて、宝玉が。」
「えっ?」
「だからここにきたんだよね?初めの女性の欠片、神の一部を飲み込んで、わざわざきたんだよね?」
あっ、そうだ、私、初代様の欠片を飲んで、でも、あれを飲めば試練がって言ってて。
でも、試練って。
もしかしてここが、試練の場所?
「あー、違う違う。お姉さん。ここは試練の場所ではないよ。」
「えっ?」
「ここは、試練を達成したものがやってくる場所だよ。」
「達成したもの?えっ、いつ試練が!?」
「えっ、したじゃん。さっきまで。お姉さんの中で1番苦しくて辛くて耐え難い時に戻って、やり直ししたでしょ?」
「えっ、あっ、えっ?」
嘘、もしかして、あれが?
あれは夢じゃなくて、試練だったの?
だからあれほどリアルだったの?
「そんな、嘘。」
「嘘じゃないよ。あれが試練。大体の人はさ、やっぱり耐えきれ無くて何度も何度も繰り返して廃人になったり、発狂したりするんだよね。1度で達成したの久々だね。」
「あれが、達成だというの?」
「そう。過去の悲しみを、苦しみを、乗り越えて最善の結果を生み出す。宝玉を埋め込むためには並大抵の精神ではいけないから、過去のトラウマなんかに負けるような人じゃ、無理なんだよね。」
「あれは夢じゃなくて?」
「夢じゃないよ。あれは平行世界で起きたことだよ。」
平行世界での出来事?
一体どういうこと?
「最初の女性の欠片を飲んだでしょ?あれは結局神の一部を体内に取り入れたことになるんだよ。それで、お姉さんは神の領域まで来ることが出来た。でも、並大抵の精神力ではそのまま維持することは出来ないから、試練を与えて、精神を鍛えるんだよね。その為に神達はわざわざ世界を作るんだ。その人のトラウマのある世界をね。つまり、今さっきまで居た世界はちゃーんと生きた世界なんだよね。だから、んー、言い方がよく分かんないから一応平行世界って言ってるんだけどね。」
「つまり、ダントさんたちは、生きてる?夢じゃなく。」
「そーそー、お姉さんは自分に都合のいい夢だと思ってただろうけど、あれはちゃーんと生きている。お姉さんが前向きに頑張ったからああなったんだよ。」
「私の頑張り?」
「そう、前と同じように行動してたら前と同じようになったよ。でも、今回はお姉さんは、違う行動を、した。だからあの村の人達はお姉さんを認め、愛し、味方した。そういうことだよ。」
にっこりと笑う少年。




