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試練

村長にまで謝られて、焦ってしまう。

怖がられるか、嫌われるか、憎悪されるかのどれかだと思っていたのに、まさか謝られるなんて。

予想の範囲外で慌ててしまう。



「黒は初代魔王の色だと言われて、酷く言われてきたのだろう。君は何も悪くないのに。」


「えっ?えっ?」


「この村はな、黒を嫌ってはおらん。寧ろ、黒はこの村の救世主の色だと昔から言われているのじゃ。」


「救世主?」


「そうじゃ。その昔、村の作物が育たず、その日をどう暮らすかと言う時に、黒髪の女性がやって来て、どこからか食べ物を出して、救ってくれたんじゃ。その女性に大変感謝して、この村の者はその話を代々受け継いでいるのでな、黒は救世主の色としているのだが、外では、黒は初代魔王の色だとか言われているので、ワシらは外では絶対にこの話をせずにただ黙っているしかないのじゃ。」



そうだったんだ。

だから、この村の人達はあの時私を見ても憎悪を浮かべていなかったんだ。

まぁ、すぐに暴力を振るわれたからよく分からなかったけども。



「隠していたのは、外でとても辛く当られたからだろう?辛い思い出を思い出すかも知れないのに、無理を言って出させてしまって本当にすまなかった。この村では隠さなくても大丈夫だが、君のいいようにしなさい。そして、ダント。」


「嗚呼、ちゃんともてなすさ。妻も喜ぶ。こんなに可愛らしいお嬢さんを連れて帰れば、可愛がりまくるに決まっている。」


「えっ、いや、私は野宿でも。」


「いいや、それはダメだ!俺の命の恩人だし!それに、女性かと思ったらまだこんなにも若い子だったんだ!それこそ、俺らに娘が居れば同い年ぐらいの子が。」



嗚呼、きっと、ダントさん達私の姿を見てすんごく幼く見ているな。

こちらの世界に来て、いつも幼く見られていたからなー。

まぁ、リュウ様達は本当の歳を最初から知っていたから、幼く見られることはなかったけどね。

だからこの反応は久々だなー。

実際の歳を伝えてもなかなか信じられなかったし。



「うちには子どもが居なくてな、嫁さんも寂しい思いをしているんだ。この村にいる間だけでも、俺の家に来て、嫁さんを構ってくれたら嬉しいんだが。」



うぅ、そう言われると断りづらいのだが。

実際の歳も言いづらいし。

まぁ、野宿を進んでしたい訳でもないし、迷惑をかけないように気をつけてすればいいか。

それにきっとこれは、夢だし。

私のいいように出来ているだけかもだから。

好意には甘えておこう。

頷けば、ダントさんは嬉しそうな笑顔を浮かべ、村長に、お礼を言ってダントさんの家に向かった。

そしてダントさんの家に入るやいなや、何者かに抱きつかれた。



「いらっしゃいいいいーー!ようこそーーー!!」


「えっえっ?」


「なーーんて可愛らしい子なのーーー!!」


「ちょっ、落ち着け。」



ダントさんが先に入って説明をしてくれたはずなのだが。

何故、私は、抱きつかれているのだろうか?

いや、もうリュウ様とかで慣れたけども。

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