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試練

「一撃で。」


「あっ。」



忘れてた。

追いかけられていた人が岩陰から出てくる。

見た限り怪我もないようで良かった良かった。



「君は一体?」


「私は、聖女一行の者です。」


「聖女様!」



あんな奴らの一行なんて言いたくないけども、見た目怪しい私を怪しまずにいてもらうには有名な聖女様の名を借りるしかない。

ましてや、今、被っているフードには大きく聖女様の模様があるのだ。

聖女一行と言わないと確実に怪しまれる。



「聖女様が来てくださっているのですね!」


「はい。しかし、聖女様がこちらに来られるまでにもう少し時間がかかりますので、私が急ぎでこちらに向かうよう命を承ったのです。」


「そうですか。しかし、1人で。」


「すみません。聖女様は尊き方で奇跡の力を持ってはいますが、体力等は一般女性と変わらないのです。もし道中で魔獣に襲われてしまうと困りますので、残りの者は聖女様の護衛をしています。」


「そんな。」


「私のような者では安心できないかもしれませんが、一応先程の魔獣位なら1人でも十分倒すことができます。すぐに聖女様達もこちらに着くと思いますので、どうかそれまでは私がこの村をお守り致します。」



静かに頭を下げて、相手の様子を伺う。

うん、可笑しいことは分かっている。

何故1人なのか、聖女の護衛があっても、もう少し人を寄越すことだってできるだろうとか、何故、聖女の護衛の中でも弱そうな女が来たのかだとか。

でも、そこは気にせずにいて欲しい。

ない頭で考えた精一杯の言い訳なのだから。

相手は少し考える様子を見せたあと、顔を上げてくれと言ってくれた。



「分かりました。助けていただきありがとうございました。」


「いっいえ。」


「とりあえず、村に入りましょう。村長にも話をしないといけませんし。」


「えっ、あっ、はい。」



追いかけられていた人に促されて、村へと入る。

村へ入れば、奇妙な目で見てくるが、追いかけられていた人、ダントさんがどんどん進むので、私も気にせず進む。

どんどん進んで、着いた家。

その家のドアを叩き、出てきた人は優しそうなご老人。



「おぉ、ダント。どうした?今は森の方に言っているはずでは?」


「その事だけど、ちょっと中で話がしたいんだ。」


「ん?それは良いが、その人は?」


「この人も話に関係しているんだ。だから一緒に入れてくれないか?」



ご老人、村長は何かを察したのか何も言わずに頷き、中に入れてくれた。

椅子に座ると、村長はお茶を入れてくれた。

そして1口飲んでからこちらを村長がみた。



「仕事熱心なお前が、こんな時間にわざわざ来るとは、何かあったんじゃな。」


「嗚呼。それが、森の中で、中型の魔獣が現れたんだ。」


「なんじゃと!中型が!?小型ではなくか!?」


「嗚呼、小型なら最近多く出てきていたが、まさか中型までもが出てくるとは。」



そうだ、この村は最初、小型の魔獣が多く出るようになったから、聖女達にその小型達を討伐してもらえるようにしてたんだ。

小型の魔獣が数匹なら村の人でも倒せるが、何匹も続けざまに出るとしたらきっと巣があるはずだからそれを見つけて討伐するはずだったが、でも実際は小型の巣ではなくて。

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