王子と宝玉の乙女達
「そうはなりませんよ。」
「レイ?」
「だって、次の王であるリュウ様がそう思っているんでしょう?ならもう、この国ではなることはないはずです。」
そう言ってにっこりと笑うとリュウ様は一瞬目を見開いた。
しかしすぐに笑った。
「そうだな。もう二度とそうなることはないな。」
「えぇ。」
「勿論、その隣には俺の愛しい運命が支えてくれるんだろう?」
「それはないです。」
ぴしゃりと言えばリュウ様は不満顔。
いやいや、なに調子こいてそんなことを。
落ち込んでる風だったから励ましただけなのに。
隙あらば口説いてくるのはどうかと思います。
なーんて思っていれば、リュウ様は笑っている。
「何を笑っているんですか?」
「いや、やはり俺の運命様は手厳しいなって。でもそれが愛おしいなって。」
「・・・マゾなんですか?」
「いや、どちらかと言えば逆だと思うが。まぁ、レイ相手ならどちらでもいい。」
「いや、私相手なんてありませんけど。」
「ほぉ?やっぱり手厳しいな。」
そう言って笑うリュウ様につられて笑ってしまう。
この人も、なんというかめげない人だな。
そう宣言されていたけども。
「あれー?リュウ様、レイ様?何を笑ってるんですかー?」
「いいえ、なんでもないです。」
「そうですかー?」
「嗚呼。ほら、レイ。まだ街をみるんだろう?」
「あっ、そうですねー!!レイ様!まだまだ時間はありますよー!もっと良いところをお見せしますよー!!」
そう言って笑うリィナさんの笑顔は素敵で。
この笑顔をきっとリュウ様は、いえ、この国の王族の方は守っていくんだろうなって。
そう思いました。
だってこんなに綺麗な人たちなんですもの。
人を守り、強く美しい宝玉の乙女達。
それを守り、愛し慈しみ、憧れているこの国の人々。
それをさらに見守っている王族。
この国はとても素敵な国なんだって、少し見ただけで理解しました。
「私、外に出てみて良かったです。」
「レイ?」
「いいえ、何でもないです。」
嗚呼、私、この国に、この世界に来て良かった。
心底そう思えました。
きっとあのままあの世界でいればきっと私は。
「レイ。行くぞ?」
「はい、お願いします。」
リュウ様に手を引かれ、ここに来たときと同じようにリュウ様の魔術で元の場所に帰る。
目を開けば、先ほどの街で。
「さぁ、レイ様!どんどん良い所を紹介しますよー!!」
「リィナ。あまり無茶をさせてはいけませんよ。」
「分かってますよー!」




