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王子と宝玉の乙女達

リィナさんが私に抱きつこうとこちらに向かってきたとき、現れた黒い影。

このシルエットは。



「リュウ様・・・。」



良い笑顔でリィナさんの頭を鷲掴みしてました。

それはそれは良い笑顔で。



「温情で俺のレイと二人っきりになる時間を与えてやったのに、さらにレイに抱きつこうとは、本当に死にたいようだな?」


「いたったったったたた!!!」


「ちょ!リュウ様!!離してあげてください!!!」



女性の頭を鷲掴みなんて!

慌てて止めるとリュウ様は渋々手を離しました。

渋々って・・・。



「ちょっとー!!か弱い乙女の頭を鷲掴みなんてー!!」


「どこにか弱い乙女がいる?レイのことか?そうだなレイはとてもか弱く美しいからな!」


「はぁ?違いますー!!いいえ、レイ様がか弱く美しいってのはそうですけど!!あんたが頭鷲掴みしたのはこのか弱い乙女のリィナちゃんですー!!ホントこの糞王子め!!やっぱり一回ボコボコにしてやらないと気が済みませんー!!」


「ハッ!それはこっちの台詞だ!!温情を与えれば、毎度毎度俺のレイに抱きつきやがって、さらにレイをパートナーにだと!!攻撃だけは最強だが知らないが、俺の魔力でボコボコにしてやる。」



えっと、あの、お二人とも?

ここで戦闘する気ですか?

いやいやいや!!

ここで?

攻撃力最強リィナさんと魔力チートのリュウ様が?

そんなことしたらこの辺の地形変わっちゃいませんか!?


「ちょ!?お二人とも!!」


焦って止めようとしているといつの間にか現れていたライアさんがそれはそれは良い笑顔でお二人の頭を鷲掴みしてました。

えっと・・・とってもバイオレンスです。

そしてなんでしょう、人の頭を鷲掴みするのが流行ってるんでしょうかね?



「二人とも?一体何をしてるんですかね?私に面倒を押しつけておいて。さらに面倒ごとを起こす気ですか?」


「いたったたたたたたたたーーーーーー!!!隊長!!!いたいた!!!」


「痛くしてるんだから当たり前です。リュウ様も、レイ様の前だからって我慢してますけど、かなり痛いはずです。」



あ、そうみたいです。

だってリュウ様額に脂汗大量にかいてますもん。

表情は涼しい顔をしてますけどね。



「これに懲りたら戦闘しようなんて馬鹿なことはやめてくださいね。」



そう言ってライアさんは2人を離しました。

相当痛かったようで2人は頭を抱えています。



「っつーーー。あー、でも隊長、なんでここにー?彼奴らはー?」


「3番隊なら、あなたが逃げた後、処理だけして報告も兼ねてもう帰りましたよ。」


「そうですかー!良かったー!!」



リィナさんは心底安心したようだった。



「それで、話は?終えたの?」


「えぇ。勿論。」


「そう、それは良かったわね。」



そう言うライアさんはとても良い笑顔で。

ってあれ?話って・・・。

もしかして。



「リュウ様。」


「ん?なんだ?」



気になってリュウ様に小声で声を掛ける。

するとリュウ様は幸せそうな笑顔を浮かべ答えてくれる。

えっと、名前を呼ばれただけでよの笑顔って・・・チョロすぎませんかね?

って、違う違う、今はそうじゃなくて。

小声で声を掛けたからか、リュウ様も小声で答えてくれる。



「あのもしかして、リィナさんが話をするって知っていたんですか?」



そう問いかけると、リュウ様は何も答えないが、優しい笑顔を浮かべていた。

それが答えだった。

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