覚醒
「私は宝玉の乙女になったからこそ、今の私がいると思うんです。」
「えっ?」
「確かに覚醒した当初はなんで私がって思ってましたし、化け物だと思っていました。」
そういうリィナさんは悲しげだけど、でもまっすぐと前を見ている。
「でも、サーリナ様と出会って、他の皆にも出会って、訓練して、戦って・・・。私っていうのが認められて。それで私は、気付いたんです。」
「何を・・・?」
「宝玉の乙女は化け物なんかじゃない。兵器なんかじゃないって。宝玉の乙女は初代様が愛しい人を守るために得た力。誰かを守りたいって強く思ったからこそ得た力。そんな力を得ることが出来た私はとても幸せなんだって。」
「リィナさん・・・。」
「私も誰かを守ることが出来る。誰かの為に戦うことが出来る。そんな素晴らしい力を得ることが出来た。誰にも、化け物だなんて、兵器だなんて・・・言わせない。」
そういうリィナさんはとても美しかった。
とても化け物だなんて言えない。
この人は・・・いえ、宝玉の乙女様達は皆、誰かを守り、慈しむことが出来る素晴らしい女性達。
誰よりも美しく清い方達。
自分の為ではなく、他の誰かを思いやることが出来る人たち。
そんな人たちがきっと宝玉の乙女なんだ。
なんて素敵な人たちなんだろう。
私もそんな人たちになりたいと思ってしまった。
誰かを愛し、守り、慈しむことが出来る人に。
「っという訳で私はあいつが嫌いで、避けまくってるのですが、何故かあいつは私を追いかけてこんな所まできやがって。まさかの私と同じ兵にまでなりやがって・・・。」
「リッリィナさん・・・。」
くっ黒いオーラがバシバシ出てきてますよ。
怖いオーラが。
笑顔なのに恐ろしいです。
「ましてや、私を好きだや結婚してほしいなど。そしてパートナーになりたいなど。あり得ない。大っ嫌いなあいつをパートナーにするわけがないのに!!」
「えっと・・・これまでもずっとあんな感じで?」
「えぇ。そうです。コテンパンに言っても何度もやってきやがって。鬱陶しい。」
リィナさんは本当に忌々しげに言っている。
でも、話を聞いてよく分かりました。
リィナさんの態度の訳が。
あれほどリィナさんが嫌そうにしていた訳が。
「リィナさん。」
「はい?どうしました?レイ様。」
「話してくださってありがとうございます。」
「えっ?いえ、私はレイ様を巻き込んでしまったので・・・。そんなお礼を言われることは。」
「いいえ。本当は話したくないことだったのに話してくれたんですよね?」
「あっ・・・。」
こんな話をしたかったなんてことはないでしょう。
きっと黙っておきたかったこと。
多分、リュウ様達は知っていた。
そんな様子だったもの。
でも、本当の部外者の私にここまで詳しく話す必要はなかったはず。
てきとうにごまかしとけば良かったのに。
でもリィナさんはそれをしなかった。
「私が困惑していることを知って、教えてくださったんですよね。優しいリィナさん。」
「うぅ・・・レイ様ぁーーー。」




