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宝玉の乙女として

「レイ様!買ってきましたよー!」


「わー、ありがとうございます!」



話をしている内にリィナさんが買ってきてくれていた。

香ばしい匂いが漂ってきている。

美味しそうな匂い。

桃のような匂いもする。



「温かいうちに食べましょうー。」


「そうだな。温かいうちが一番美味しい。」


「あっはい。」



一口食べるとパリッといい音。

味は桃とマンゴーが混ざったような味。

あれ?この味、確か前に。



「この味って、前にアーニャさんが。」


「そうだな。そういえば前にアーニャが用意していた果物中にあったな。ナス。」


「まぁ、ナスってこの国の特産物ですもんね!食べてない方が可笑しいですよー。」


「あのピンクの細長い果物がそうなんですね。」


「そうですね。ナスはそういう形の果物です。」



あのピンクの果物が!

形はナスみたいだってけど、色はピンクだし、甘い香りがしたから。

名前はアーニャさんに聞かなかったから知らなかった。

あれがナスかー。



「ナスはこうやってお菓子にもよく使われてるんです。」


「ジャムにしたものとかジュースとか、いろいろありますよー!」


「わっ、美味しそう。」


「美味しいですよー!多分、出店がまだ出てますよー!買いに行きましょうー!」



笑顔のリィナさんに手を引かれて走り出そうとした瞬間。



「リィナ!」


「はいはーい!」



ライアさんがリィナさんを呼び、リィナさんが返事をした瞬間、目の前からリィナさんが居なくなりました。

一体、何が起こったのでしょうか・・・?

訳が分からず唖然とみていれば、いつの間にやら笑顔のライアさんが隣に居ました。



「驚かせてすみません。どうやらこの街外れで、魔獣が現れたようで。」


「魔獣、ですか?」


「えぇ。ここ数年現れはじめたもので。動物とも違って、近くの物や人に無差別で攻撃してくるのです。」


「そんなものが・・・?」


「まぁ、基本兵が数人で倒せるものばかりなので今のところは大丈夫なんですが。」


「最近さらに強いものも出るようになってきたそうだ。この国の近くでも度々見られるようになったそうでな。」


「そうなんですか!?」



そんな恐ろしいものが居るのに、リィナさん、一人で!



「ああ、大丈夫ですよ。リィナはあれでも宝玉の乙女なので、一人で十分なんです。」


「えっ、そうなんですか・・・?」


「信じられませんか?そうですねー。実際に見てもらったら良いですかね?ねぇ、王子?」


「そうだな。宝玉の乙女について知るってことをしろって母上も言ってたしな。」


「そうと決まれば、リュウ様。早く行きましょう。急がないと終わってしまいます。」


「そうだな。レイ。捕まっててくれ。」


「えっ!?」


「実際に見れば安心してもらえるでしょう!」


「えっ?えっ!?」



私がリィナさんを心配しているといつの間にやら、二人で話が進んでいたようで、リュウ様の魔術でどうやらテレポートするようです。

戸惑っているとリュウ様が喜々として私を抱きしめようとしたのでその前に私は腕をつかんだ。

不満そうなリュウ様を無視して、ライアさんが早くするよう声を掛けたので、渋々ながらリュウ様は魔術を使ってくれた。

一瞬目の前が真っ暗になり、次の瞬間、目の前には森でした。



「えっ、ここは?」


「街から離れた森です。ほら、あそこ。」



ライアさんが指す場所から大きな土煙が起きている。

もしかしてあれが?

よく目をこらせば、小さな身体が宙を自由に舞いながら、大きな黒い塊に斬りかかっている。



「あれが、リィナさん?」


「はい、あれがリィナです。あの子の武器は大剣なので。小さな身体似合わずなのですが。」


「ホント、よくあれが扱えるよな。」


「まぁ、リィナにとってはあれは身体の一部みたいなものなんで。それにあの大剣故に攻撃力はサーリナ様に次いでですからね。」



そう二人が話している中、私はリィナさんから目が離せなかった。





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